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背中で形勢逆転を察した轟は、ようやく少し落ち着けると思い、エリックを切り崩す方向に話を転換し始めた。

 

 

なぜ急に裏切りを促し勧誘し始めたのか。

 

エリックは業に感心したからだと答えるが、轟は軽く受け流し、違和感だらけのエリックの行動への推理を披露し始めた。

 

 

外国人を多く指導してきた轟は、熱心な信仰を持つ彼らを見てきた結果、エリックのような人間が裏切り者を決して許さないと知っていた。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

それなのに、主義を曲げてまで轟を勧誘した理由とは何か。

 

それは仕える犯人のために他ならないが、神に託された奥の手をどうにかして使いたい。

 

ながみんが敗北濃厚になったタイミングで勧誘を切り出したのは、避難民を皆殺しにされるのが不味いと思ったから。

 

その推理に何も反論できないエリックは、しとどに汗をかき始めた。

 

轟はしってやったりとニヤついた。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

こうした心理戦で動揺を誘うのも、轟に限界が近づいているからだった。

 

とにかく今は自分の不利を悟られぬよう、晴輝に早く来てくれと願った。

 

 

 

保菌者を退けた彼は今、仕留め切れなかったこと以上のキツイ現実に興奮が冷め、はしゃぐ仲間たちの方を振り返れないでいた。

 

まだ彼らは事の深刻さに気付いていない。

 

その間に起死回生の策を思いつきたい彼だが、減った数をそう簡単に埋め合わせれるものじゃなかった。

 

最初の一閃で多くの仲間が殺されたせいで、最早作戦を成功させるのは不可能としか思えなかった。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

この人数で道の駅に行っても、海兵隊を排除するのは物理的に無理で、もうホテル側もギリギリでやっていて増員を見込めない。

 

それはつまり、きららを助けられないのと同義だった。

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

手詰まりの晴輝。

その晴輝を待つ轟。

愉悦から覚めたながみん。

 

そして不死とも思える高木は森の中に潜み続けていた。

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

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