15話後編
曲がり角で壁に突っ込ませたが、体育館に続く廊下はまだ50mはある。
全力で駆けても途中で追いつかれるのは必至で、睦美はどうすべきか考えた。
カマキリは身をよじって前脚を繰り出し、睦美をひっ捕まえようとしながら直線廊下に抜け出してきた。
睦美はギリギリで近くの教室に避難して一息吐くが、カマキリはドアをぶち破って無理くり入ってこようとするので、想定よりも巨大カマキリの能力が高いことに戦慄いた。
教室に隠れながら誘導するにしても、失敗が許されないこの作戦にせめてもう一人お手伝いがいればと思い、自然と千歳が思い浮かんだ。

しかし千歳は外道の京介に色仕掛けしてくれているし、今は睦美一人でやるしかない。
その時、窓の外から双子がお手伝いしに来てくれた。

睦美はさっそく教室に入ってこようとしているカマキリを引き付ける囮が必要だと説明すると、双子は勇敢に役目を引き受けた。
するとどこに持っていたのかあったのか、猫耳と尻尾を装着して扇情的なにゃんにゃんダンスを舞い、人間の男を惑わすように注意を引き付けようとし始めた。
カマキリにとって動くものである以上、双子を狙って前脚が繰り出されてきた。

その隙に睦美が教室から飛び出すと、双子はそっちに気を取られないよう尻を振り、声をかけ、小気味いい音を立ててお互いの尻を叩いた。
そんな人間猫カフェみたいなダンスでも、カマキリは効果覿面に誘惑されてもっと中に入り込み、鎌の先が双子を捕らえそうなほどに伸びた。

睦美は二人の悲鳴を背中に受けながら、それでも確実に逃げ切れる距離まで離れてから星空ライトを再点灯し、カマキリを自分の方に向けさせた。
猫耳より光に惹きつけられたカマキリがまた直線で躍りかかって来たので睦美はサッと逃げようとしたが、転がっていた消火器に気づかず転んでしまい、あっという間に目の前に迫った鎌に死を覚悟した。
しかし、今度はランボー風の木田が駆けつけてくれ、斧で助けてくれた。
間一髪助けられた睦美は感謝をして再び走り出す。
斧一本ではさすがに成体に返り討ちにされた木田。
残り10mを駆け抜けた睦美は外に飛び出し、改めて光で誘導してやると、カマキリはついに気持ち良く羽を広げて真の姿を現した。


































