63話
言葉は出ずとも身体は動いて、勢いのままに彼の唇に吸いついた御子柴。
ちゅっと音がした刹那、自分の大胆さでハッと我に返った彼女は慌てて謝り、ツンデレヒロインまっしぐらな態度で背中を向ける。

謝られて気にしないでと言われてもそれは難しい彼の戸惑いに報いるため、また衝動的に里桜って誰?と口にした御子柴。
その名前にキスのドキドキも消え失せた彼は、同級生で両想いで聖女機関の副師長で、でも命懸けで助けてくれてパンツもくれた想い合う仲の青柳里桜だと説明。
そして今の最大の目的は聖女機関に乗り込み、彼女を救い出すことだと明かした。

その正体に御子柴は分かったと答えて爽やかな笑顔を見せ、そそくさと立ち去った。
慌てて去ったのは、自分から告白できなくした不甲斐ない泣き顔を見られたくなかったからだ。

その頃、聖女機関の鷲尾は柏崎愛奈という槍人に二十四時間くっついている従者がいるのだと教えられていた。
愛妻やSPよりぴったりマークしている奴がいるならコンタクトを取るのは至難の業で、東条もその権限に割って入るのは不可能。
ただ傑がメディカルチェックを受ける時だけは一人になるので、担当の秋穂に引き継ぐまでの僅かな時間に接触するしかなく、Xデーは夏の入口となった。
そんな密談が行われている間も、しこたま訓練に明け暮れていた里桜はイキ疲れているところに人事異動での呼び出しを食らった。

もちろん異動先は槍人に子種を注いでもらう相手役で、任期は奇しくもXデーと一緒だった。
一方、レジスタンス側は遠征メンバーを発表しようとしていた。
久しぶりの麗が作戦ボードを前に、班の数字を発表していき、最後に匠馬の働きで一気に評価を上げただろう3班が選ばれた。

もちろん潜入日は、他と同じXデーだ。



































