11話
ちかを生き長らえさせるため、自分が元の姿を維持するために、彼は血族や使い魔だけの心臓を狙って夜毎狩りをしていた。
そしてある夜、虚無僧のように傘を被った一人の使い魔の後を追った。
ムサシというその使い魔は、千晶という着物姿の和風美人の血族に仕えていた。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫2巻
しかし千晶はここ半年、ムサシがいくら心臓を差し出そうと一切口にせず、血族としての生を終わらせようと決めていた。
そんなこととは知る由もない彼は、二人が隠れ住む屋敷に侵入し、気配を察知したムサシと戦闘を始めるが、未だ猟爪を扱い切れていない彼は容易く両足を落とされて追い詰められてしまう。
すると千晶は彼から美輪子の気配を感じ取り、ムサシも驚きを隠せなかった。
オリジナルの血族である美輪子の使い魔になった彼の回復力は凄まじく、落とされた手足がみるみる再生していく。
ちかを救うためには、美輪子の飢えを満たし続けなければいけなかった。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫2巻
使い魔としての生を受け入れた彼は、石をも斬ったムサシの猟爪を叩き斬って致命傷を負わせるのだった。
12話
彼はムサシに止めを刺そうとしたが、ギリギリで千晶が間に入り、そのまま彼女の体を貫いた。
体半分を切り落とされたムサシにそれを再生する力はなく、千晶は無残に殺されるところを見たくなかったのだ。
彼が構わず彼女にも剣を振り下ろそうとするが、微動だにしないのを見て、使い魔になったものの人間をやめたつもりはない彼は剣を引いた。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫2巻
そして千晶はムサシに自分の血を飲ませ、人間の姿で死を迎えさせた。
使い魔の最期を看取った彼女は、自分にも止めを刺すよう彼に言った。
しかし、戸惑う彼が躊躇している間に、長い間血を飲まなかった彼女に飢えが襲い掛かり、自身の体が何かに噛み千切られるかのように、飢えそのものが自分の体で飢えを満たそうとし始めた。
すると彼女は胸をさらけ出し、手を抉りこませて心臓を取り出し、彼に差し出した。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫2巻
彼女は日の光を浴びれず、人の死で生きる人生に飽き飽きしていた。
彼は人ではないと言う彼女に人間性を垣間見て躊躇うが、一瞬血族の顔を見せた彼女の覚悟に背中を押され、首を刎ねた。
殺されてありがとうと感謝する千晶と、安らかな顔で笑ってさえ見えるムサシは、かつて人間だった頃と何も変わっていないように思えた。
血族の心臓を彼が持ち帰ってくると、美輪子はすぐに服を脱いで全裸になった。
お前と呼ぶことを許さず、跪かせて美輪子様と呼ばせた。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫2巻



































