教えてもらった通りの禊を終えた頃には、奈子の身体は震えが止まらなくなっていた。
肌に貼りつき透けた着物を通り越して、身体の熱が奪われるように湯気が立ち上っていく。

そして、歯の根が合わずにカチカチ鳴らしながら、大きなくしゃみを一発。
しかし、苦行の後は極楽が待っていた。
自分を追い込んだからこそより一層湯の温かさが身に沁み、思わずとろけきった顔で声を漏らした。

この後こそ本日のお手伝い本番なのだが、この極楽気分から抜け出すのはコタツ以上に難しく、少しは気温が上がる昼まで浸かっていたいと思ったが、そういうわけにもいかず、また気合の声を入れて飛び出した。

禊を終え、風邪を引かないよう身体を温め直し、全キャラ中一番似合うであろう巫女袴に着替え、楚々として立ち居振る舞いで神主にご挨拶。
元々穢れがあまりなさそうな奈子が穢れを落とし、これから参拝客への対応をするのだった。

神社らしい受け答えを教えてもらい、その通りにそつなくこなしていく奈子に目を細める神主。
やがて時間は経ち、六時を過ぎた頃には空が明るんできていた。
早起きした奈子がうつらうつらと船を漕ぎ出したその時、誰かが鳴らした鈴の音でハッと目を覚ますことができた。
すると、丁度初日の出が奈子の視線と同じ高さにまで昇ってきたところだった。
その美しさに目を奪われた直後、お守りを買いに来た一人の参拝客が声をかけてきた。
それは、何時間か前まで話していた省太だった。
いつもは何も意識していないはずなのになぜか鼓動が早くなる奈子と、巫女姿でいつもと違う神聖な雰囲気のする同級生に見惚れる省太。

奈子がしどろもどろに参拝客への挨拶を搾り出すと、彼は素直に彼女の格好を似合うと褒め、今年が良い年になるような予感を彼女に抱かせるのであった。
感想
無邪気の楽園パラレル3話でした。
今回はいい感じの話でしたね。しかも読者からお題を募って描いているみたいなので、採用されれば共同制作している気分でおもしろいでしょうね。
奈子はやっぱりシンプルに可愛いので、無理矢理にトラブルを起こさなくても読ませるパワーがあると思いました。
https://kuroneko0920.com/archives/40615





































