と、ここまでは彼の期待する妄想ハーレムだった。
現実もハーレムには違いなかったが、その中心にいるのは我が子の麟で、ママ二人がキャッキャはしゃいでいる様子を背中で聞いていた。

龍は何の罪もない我が子に嫉妬して睨みつけるが、嫁二人がはしゃぐのも仕方ない天使のようなほんわか笑顔を見せられると、一瞬で親バカなパパの顔になった。

お風呂から上がると今度は我が子の初浴衣姿が可愛すぎて眉尻が下がり口角が上がりっぱなしになり写真を撮りまくり、ママに抱かれて初めての離乳食を食べる様子も見逃せず、一瞬も逃すまいと連射で撮るパパ龍。

最早嫉妬を感じたことなど、すっかり消え去っていた。
自分でも気づかないうちに麟の写真を撮りまくっていることを小春に指摘され、そこでようやく我を忘れていた自分に気づく龍だった。

ゆずと麟が寝静まった頃、小春は足湯に龍を誘った。
話があった小春だったがなかなか本題を切り出せずにいると、逆に龍が察して金だろうと言ってあげた。

もちろん違うが、懐かしい借金3千万を持ち出されては頭が上がらなかった。
そこで生理が来ないのかと訊くが、おめでたでもない。
そうして遠まわしに攻めた後で、父親と会わせようとしているんだろうと核心を突いた。
近くに住んでいるらしい龍の父親。
すると小春は、もうあの建物の陰にスタンバイしてもらっていると打ち明けた。
彼は驚くが、単なる冗談だった。

この温泉旅館を選んだのもそれが理由だった。
龍もこの辺りに住んでいることは知っていたが、母親が死んでからは一度も会っていなかった。
そんな乗り気じゃない龍に小春は、麟をみせてあげれば喜ぶだろうし、自分も会ってみたい、龍の昔話を聞いてみたいと悪戯な笑みを零した。

会うか会わないか決断を委ねられた龍は、この強引さに任せて会いに行くことに決めた。
翌日、湖のそばの風光明媚な場所に着いたが、そこに建っていた建物は平屋建てのボロッチいものだった。
しかし、確かに伊達という人間が住んでいるようだ。
龍はノックしようとした瞬間、思い出したくもない父との記憶が蘇ったが、振り返ると小春が微笑んでくれたので、父親にざまあ見ろと言ってやるつもりで戸を叩いた。

感想
ハレ婚154話と155話でした。
重たい雰囲気からエロモードに変わってきたのはいいですが、うららへのフォローをちゃんとしたのかが気になりますね。
それにゆずの実家を描くなら、妹のみかんも出して欲しかった。
https://kuroneko0920.com/archives/41453
































