その勢いのまま、放課後彼の家を訪ねてチャイムをポチっと。
ドキドキしながら彼が出てくるのを待っていたが、玄関のドアを開けたのはお姉さんで、友達?と訊かれると正直に「まだ」とモジモジ答える可愛いサヨ。
察した姉は弟が遊びに行った場所を教えてあげ、恋する少女の背中を押したのだった。

教えられた公園に行ってみると、彼は友達とケイドロを始めたところで、チーム分けが終わった途端に一目散に走り出した。
サヨも慌てて追いかけ、団地の中を探していくと、幸先良く彼が一人で建物の陰に潜んでいるところを発見。
しかし、背後から近づいて行った時に枝を踏んづけてしまい、それを鬼に見つかったと勘違いした彼は振り返らずにダッシュで走り出した。
もちろんサヨもダッシュで追いかけた。

団地の中を飛び出し、逃げ続ける彼を必死で追いかけるサヨ。
住宅街の中を右に左に東に西に、チョコを入れた袋を片手につかず離れずの距離で追いすがるサヨだったが、彼は機転を利かせて民家の塀の中に身を潜ませてやり過ごしたのに気づかず、ついに見失ってしまうのだった。

いつの間にか小さな川に架かる橋に出たサヨは見失ったことに気づき、疲れ果てて柵に手をついて息を喘がせた。
その時、袋からチョコが滑り落ちてしまい、慌てて手を伸ばして自分も柵を乗り越え落ちそうになる。
その直後、誰かに誰かに体を掴まれた。
踏ん張って精一杯引き上げようとしてくれるその声は、間違いなくチョコを渡そうとした彼の声だった。

どうにかこうにか引き上げてもらったサヨは、背中に感じる彼の体温と聞こえる声にドキドキが急上昇し、走り回っていた時以上に鼓動が高鳴った。

赤い顔のまま振り向き、チョコのことを話そうとする前に彼が「サヨ」と名前を呼んだ。
なぜ名前を知っているかと言えば、彼も最近気になっていて友達に聞いたのだと照れ笑いを見せ、サヨの心に灯っていた小さな炎を大きく燃え上がらせた。

彼は遊びの続きを再開し、今度はちゃんと名前を名乗って走り去っていくのだった。
感想
無邪気の楽園パラレル4話でした。
これは本編の1年前ですかね。この後同じクラスになってもっと仲良くなって、大人省太を興奮させまくっていくと。
久しぶりに省太の姉を見たので、是非お姉さんのスピンオフも描いて欲しいですね。
https://kuroneko0920.com/archives/43533





































