158話
龍は多忙を極めて疲れ切っていた。
曲が売れ、名前が売れ、顔が売れ、雑誌の表紙を飾り、音楽番組に出て時の人になっていたが、とにかく疲れ切っていた。

うららなんかは知人がテレビに出ているのを観て、小春にキャーキャーと話していた。
その時、お店で話相手になっていた小春に龍から電話がかかってきて、一言「愛してるから」と一方的に告げて最近沈んでいた小春を一瞬でデレさせた。
しかし、ゆっくり話す間もなくこれまた一方的に切られていたのだった。

そんな電話をしてきた理由は、家に帰ってから程なく分かった。
どこぞの巨乳アイドルと熱愛か!?なんてワイドショーで龍のスキャンダルが垂れ流されていたのだ。
小春は泣いて悲しみと怒りに暮れるが、ゆずはこんな女は龍の好みじゃないし浮気なんて絶対にしないと断言した。
だって、他の女に手を出す時は、もう本気だからと。

それで小春は怒りに支配されてテレビを破壊したのだった。
龍の帰りを待ち構えてお疲れのところ、すぐに事情を訊くと、バカそうな巨乳グラドルの売名行為に利用されただけだと説明されたが、小春はとにかく経緯がどうだろうと一緒に食事をした事実がどうしても許せなかった。

でも、彼の本当に疲れ切っている顔を見ると、自分の我がままも過ぎるなと反省する気になった。
しかし、その場で例のグラドルはむりんから彼に電話がかかってきて、一方的に盛り上がっているテンションで捲し立てているのを聞いてしまったせいで、なんかんだ番号まで交換していることにゆずは何も言わず部屋を出て、小春は小さく「ばーか」と蔑み、部屋を出た。

残された龍は、溜息をついてやるせなさを吐き出すしかなかった。
感想
ハレ婚157話158話でした。
一気に数年経ち、小春にまた不穏な空気が立ち込め始めたので、これはいよいよ最終回が近い気がしてなりません。
伊達家がうまく回り始めたと思ったら、小春の妊娠は遠い。
そして擦れ違いと。
https://kuroneko0920.com/archives/44028
































