34話
いきなり貞操帯を装着されてしまった彼は戦慄し、笑えない冗談であることを願った。
おもむろに下唇を触った美羽はなんでかと訊かれ、そんな質問はしてくれるなと言う風に一瞬溜めてから顔をグッと近づけ、喜んで欲しいからだと伝えた。

当然、美少女にそんなことを言われて彼は悪い気はしなかった。
だが、強引に彼に貞操帯を装着した美羽は、ここまでしても彼の心がアヤメに向いているし、今までの努力の成果を発揮しても、勃起してくれないことにショックを受けていた。
実際、玉袋から竿にかけての感触は通常時の柔らかさを保っていた。
どうして興奮してくれないのか?
率直な疑問を投げかけると、彼は焦らさず素直に理由を明かした。
あの時はアヤメがいた安心感もあって、我慢せずに欲望を刺激された興奮のまま、股間に血を集中させて熱くなり、勃起したのだと。

その答えは、美羽が一番聞きたくないものだった。
彼に好きになってもらいたくて縄をなめし、縛り方を覚え、自らを縛って学校生活も送って興奮を高め、いざ実行。
それでも彼の股間はふにゃふにゃのまま。
美羽が自分の股間の下で萎えているあそこにもう一度視線をやった直後、けたたましく携帯が鳴り出した。
それは母親からの電話で、単なるもうすぐ帰る報告だった。
しかし、さすがに母が一つ屋根の下にいる中で同級生男子を縛るわけにはいかず、ようやく縄を解かれた彼は安堵の表情を零した。
ただ、貞操帯はつけられたままだった。
明日までそのままだと宣告された彼は戦慄し、いくら勃起しなかったとはいえ中途半端にムラムラさせられたのは間違いなく、一日のお預けは酷過ぎる仕打ちだった。

しかも、貞操帯をつけたままでは丁寧に洗うこともできず、臭いが気になるところだ。
そして翌日が訪れた。
美羽は高校生男子に酷いお預けを食らわせているなどおくびにも出さず、体育の授業で躍動していた。
女子と同じく体育館で体育をしていた男子はペアを組むよう指示されるが、万が一にも貞操帯がバレるわけにはいかない彼が見学しているので、男子は奇数になっていた。

美羽にきっぱり振られて嫌われるまでいっていた小杉はそれでもまだ諦められず、事あるごとに躍動する彼女を見てしまっていた。
諦めろと自分に言い聞かせても思いとは裏腹に、自然と美羽を見てしまうジレンマに陥っていた。
体育を乗り切った彼はどうにか昼休みまでこぎ着けたが、まだ昼休みで常に股間をいじってせめてもの慰めを与え続けていた。
そんなところに彼を探していたウキウキのアヤメが現れた。
彼の股間が少し膨らんで隠しているので勃起していると思い、二人きりの部屋でいちゃついているように股間を握った。
そして貞操帯に気づき、少し嬉しくなった。

美羽に強引に付けられたのだと知ったアヤメは人気のない教室に移動し、これまた当たり前のようにズボンを脱がして彼をビクビク感じさせていく。
ただ彼は美羽には怒っておらず、全て自分の変態性に巻き込んでしまった結果だと思っていた。

相手を責めないのが彼の美徳かも知れないが、緊縛にハマったことを良いか悪いか決めるのは美羽自身だとアヤメは諭した。
それはそれとして、彼がホイホイ美羽の誘いに乗ったのは自業自得だと指摘して帰ろうとした。
彼は慌てて止め、どうにか貞操帯を取る方法はないか訊ねた。
美羽と密かによろしくやられたアヤメは不機嫌を隠さずそのままでいて気持ち良くさせてもらえばと突き放すが、素直に不安を吐露した彼の表情にやられたのだった。

自分の緊縛がいいと言ってもらえたアヤメは笑いを押し殺せずも嬉しくなり、スパナを二つ取り出した。
パカッと二つに分かれる貞操帯を繋いでいるのは何の変哲もない南京錠。
アヤメは二つのスパナをうまく輪っかに差し込み、格子越しに亀頭を見ながら簡単に破壊したのだった。

だが、この方法を使ったからには、もう貞操帯で彼の射精管理ができなくなった。
そして放課後、美羽は彼のマンション前でまだかまだかと待っていた。
そこにアヤメが現れ、裏技で外した貞操帯を投げ返して彼を苦しみから解き放ったことを教えてあげた。
更に、闇雲に貞操帯を使った美羽に、射精管理をする意味を問うた。
自慰もエッチも鍵の保持者に禁止される行為は、性的欲求を保持者に委ねてもいいと思えるからこそ、両者の間で成立する。
強く求め合っている者同士でない射精管理は、やはりただの現実を知らないオナニー野郎だった。

感想
罪と快32話33話34話でした。
美羽がちょろ過ぎるおかげでドロっとした期待が尽きませんね。
津崎は特に何をしてるわけでも無いですが、気持ち悪くて仕方ないです。
これからの人生で南京錠に阻まれる時が来たら、きっとスパナを思い出すことでしょう。
https://www.kuroneko0920.com/archives/51973





































