総勢万を超える避難民たちは、最後の夜を思い思いに過ごしていた。
温泉で温まる者、クズに変わった幼馴染みについて相談する者、いつも通りに我が子を抱く者、神に祈る者、企みにほくそ笑む者・・・

そして晴輝は何枚もの日常の写真の中から、高木を含めてクラスメイトと撮った何気ない一枚を眺めていた。
そして、朝がやって来た。
晴輝部隊の3人は、250台分のバスが並んでいる壮観な景色に感嘆の声を上げていた。
1万人以上の避難民を一斉に運ぶためのバスを眺めながら、彼は改めて脱出作戦の3つの要素を振り返った。
自衛隊暗殺。
避難民の山形への一斉移動。
山形での居住地確保。
特に、1万人を超える一斉移動が運転手などの負担を思えば一番大変になると予想された。
もちろん、安全に暮らせる居住地も着いてから確保しなければならず、何も知らない住人を追い出して手に入れるテロリストのような暴挙に出る予定だった。
二箇所に分かれているバス乗り場の一つ、道の駅の駐車場にいた晴輝部隊。
そこに麗がやって来て軽く喋っていると、いよいよ高木を殺す時間が迫ってきた。

彼は一部の者しか知らない高木監禁の意味を反芻し、麗に山形での再会を約束して行こうとした。
その前に、紗月が助けた二つの笑顔が見送ってくれ、殺伐とした気持ちが和らいだ。

轟も友人を殺しに行こうとする彼の重荷を下ろさせる一言をかけ、送り出した。
もう一つのバス乗り場のホテル駐車場には、小早川と郷田が待機していた。
小早川は避難民たちの活気を見て、淀川と差がありすぎるリーダーの資質に凹んでいて自虐発言を始めるが、淀川は特別な訓練を受けている事実を挙げて郷田が励ました。
しかし小早川の気持ちは上がらず、自分一人では何もできなかっただろう否定しにくい事実を挙げ、自虐を止めようとしない。

郷田はもう一度否定して励まそうとしたが、完全に言葉を食われて話させてもらえなかった。
凹んで悩んで何かを決心した小早川は、淀川と神城をすぐに呼んで来て欲しいと指示した。

その頃、監禁場所のホテルに到着した彼は、慌てた様子の蓮華と鉢合わせていた。
彼を探していた蓮華は高木殺害に淀川と神城が急遽立ち会えなくなったことを伝えたが、彼は元々、室内に入るのは山田とだけの予定だったので、特に問題なかった。
しかし、山田が立会人が減ったことで勝手に手を回していたのだった。
山田が新しい立会人に選んだのは、彼の第一恋人であるきららと、四股目の彼女にしようとしている紗月だった。

当然、二人は高木について何も知らされていなかった。
感想
インフェクション120話121話でした。
どんどん人殺しへのハードルが下がっていますが、多分高木殺しはフェイクでしょう。
さすがに友人を殺せるほど、晴輝も非日常に染まりきっていないと思いたいですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/52422
































