45話
善にまで直接接触を試みた津崎は善人の面の皮を被り、気分が悪くなった悩める後輩の頼れる先輩になろうとし始めた。
まさかアヤメとの仲をこじれさせた張本人などと思いもしない彼は、心配して体調が良くなるまで傍にいてくれた津崎に感謝し、しかも生徒会長なことに感激。
気さくでフランクな先輩を気取る津崎は、いけしゃあしゃあと沈んだ彼の表情から何か悩みがあるのだろうと指摘。
彼は瞬時にアヤメがボンテージ衣装でクンニされている写真を思い出すが、さすがに口には出さずに誤魔化した。
そこで津崎は観察眼が優れているようなフリをして、逐一報告を受けていたのでまるで見てきたかのように的確に彼が陥っている悩みの状況を言い当てた。

地獄に仏のような感覚で救世主に感じた彼は、試しに津崎なら悩んでいる時にどうするか訊ねた。
すると津崎は花を育てて愛でるに限ると爽やかな笑顔で答え、心が浄化されるんだとまだまだ真っ黒に汚れ切った心を隠した。
生徒会長権限で育てている正門花壇のコスモス。
コスモス見に誘われた彼はそれだけで少し気分が晴れた。
勢いを止めない津崎は勝手に明日の昼休みに見に来いと誘い、待っているというすっぽかし難い補足も加えてから相手が返事する間も与えず素早く立ち上がり、そそくさと帰ったのだった。
津崎の本性に気づけなかった彼はあっさり表の顔に騙されてしまい、軽い憧れを抱いてしまうのだった。

翌日、体育の授業終わりに更衣室で着替えていたアヤメは、さっさと制服に着替え直して鞄を持った瞬間、すぐ違和感に気づいた。
明らかに鞄が軽かったのだ。

縄分の重量が減っていると思ったアヤメはすぐに中身をぶちまけ、本当に縄だけ消えていることを確認すると、呼び出しメッセージが書かれた紙片も見つけ、忌々しく握り潰した。
指定された昼休みに犯人が待ち受けているコスモス花壇に行くと、女子更衣室侵入と盗難までやらかしておいて笑顔で花の手入れをしている津崎が鼻歌を歌っていた。
さすがのアヤメも縄を奪われて血相変えているのを見た津崎はさも楽しそうに歓迎し、盗んだ縄を取り出して見せた。
この縄が緊縛に使われるものだと知っている津崎は小バカにしたように笑い、実は自分も女の子を縛ったことがある経験者だと明かした。
その際にちゃんと律儀になめして仕上げたので、それなりの知識を持っているようだった。
ただやはり気持ち悪さを発揮せずにはいられず、Sというより歪んだ性格を露わにしてアヤメの縄に舌を這わせた。

完全に縄を汚されたアヤメはキレ、スカートをはためかせながら奪い返しにかかった。
だが津崎は余裕綽々で迎えうつ。
振り上げた手首を掴んで関節をキメ、するするとひばり結びでアヤメの指を絡め取ったのだ。
指の自由を奪われて反撃不能に陥ったアヤメは為すすべなく、スベスベの頬をガっと掴まれて気持ち悪い顔を近づけさせられてしまう。
津崎もそれなりに護身術か何かの心得があるらしく、アヤメの護身術の上をいきながら、嫌悪感を示す彼女の表情に興奮していく。
そしてプルプルの唇に狙いをつけ、性犯罪にまで手を染めようとする。
生温かくドブ臭い息を顔にかけられたアヤメはしかし拘束から逃れられず、ゲスの舌先が近づいてくるのに満足な悲鳴も上げられなかった。

その時、善が無理やりされた約束を律儀に守りに現れた。
そして憧れの二人がベロチューしようとしているのを目撃して、硬直するのだった。





































