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34話

彼が引いてくれたおかげで、いつもより楽に街に到着した。

 

牛飼娘は一度に一つの包みを持つので精一杯で、彼がひょいひょいと片手で一つずつ運んでいくのを見ると素直に感心し、その力強さに見惚れてしまう

 

そんな視線の意味に気づかれないまま、搬入も程なく終わった。

 

 

なんと言っていいか分からず、牛飼娘は取りあえずお礼を伝えるも、彼の意図がないいつも通りのそっけない返事が返ってくると不満がこみ上げる。

ゴブリンスレイヤー外伝
著者名:蝸牛くも 引用元:ヤングガンガン2020年2号

 

 

そして彼は踵を返し、自分の用事を済ませに行ってしまった。

 

 

もう気を揉むのは止めようと思った牛飼娘はしかし、書類の手続きをギルドの方でもしないといけないのを思い出し、早くも気まずさを感じ始めた。

 

 

何度見ても圧倒される、多くの冒険者で溢れたギルド内の光景。

 

その中に彼を見つけると思わず心が躍るが、気になっているのは噂になっている彼にお似合いの誰かで、取りあえず妖艶な魔女ではなさそうだと思う。

ゴブリンスレイヤー外伝
著者名:蝸牛くも 引用元:ヤングガンガン2020年2号

 

 

彼と似た雰囲気の変わり者なローブの女性と魔女が一致せずに安心したのも束の間、牛飼娘に気づいた彼の方から近づいてくると、盗み見していたのがバレたようで顔が火照る。

 

しかし彼はやはり、牛飼娘の視線の意味など気づかず、ただ用があるのかどうか、手伝いが必要なのかを気にするのみ。

 

 

5年前以前の彼はどんな子供だったか、その頃の自分を覚えてくれているのか

 

牛飼娘はそれと同じくらいに周りからの視線が気になり、彼を促して端に寄ってから、いつの間にか少し見上げるほど自分より背が高くなっているのを見て、自分の方が体力勝負でも勝てた時代に思いを馳せた。

 

そして改めて話を切り出そうとしたその時、噂のアークメイジが騒がしくかつ上機嫌に駆けて彼に抱きつくものだから、牛飼娘はまた圧倒されてしまう。

ゴブリンスレイヤー外伝
著者名:蝸牛くも 引用元:ヤングガンガン2020年2号

 

 

彼が来なかったから探しに来たアークメイジはいよいよ仕事の成果が出せそうだとなったが、まだゴブリンについて調べ足りないことが見つかり、彼に依頼しに来たのだ。

 

 

依頼人と冒険者。

 

その言葉だけで納得しなければならない牛飼娘は言葉だけ分かったフリをし、明らかに不満を露わにすると、彼は言葉だけを飲み込んだが、アークメイジはただならぬ乙女の雰囲気を察した。

 

彼にお使いを頼んで強引に席を外させると、涙を溜めて不安に押し潰されそうになっている牛飼娘に優しく声をかけ、想像しているような関係ではないと否定し、それはこれからもなり得ないと言い切った。

ゴブリンスレイヤー外伝
著者名:蝸牛くも 引用元:ヤングガンガン2020年2号

 

 

ちゃんと自分のことを理解しているアークメイジだからこそそう言い切れる説得力を感じた牛飼娘は、堂々と言葉にしてくれる彼女に感謝した。

 

アークメイジは自分が不安にさせたことの詫びのつもりで、彼に対して有効な自分も知ったばかりの特別なことも教えてあげた。

ゴブリンスレイヤー外伝
著者名:蝸牛くも 引用元:ヤングガンガン2020年2号

 

 

 

程なく戻ってきた彼は牛飼娘に一言声をかけると、すぐに背中を向けて出発した。

 

気を取り直した牛飼娘は手続きを済ませながらアークメイジの言葉を反芻し、もう少し頑張ってみようと思った。

 

 

感想

ゴブリンスレイヤー外伝32話33話34話でした。

乙女たちのいじらしい喜びと悲しみが微笑ましく描かれた後に、血生臭さたっぷりのゴブリンスレイヤーパートへの切り替えでした。

乙女色が強い流れで来たので、次回は臭そうなシーンが多くなりそうで楽しみです。

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