191話
世界に感染が広がっていることを知らない晴輝は意気消沈したまま部屋に帰った。
ちゃんと炊飯できたながみんはウキウキで報告し、感謝されると分かりやすくパアぁっと顔を輝かせ、いそいそとお茶碗によそってあげる。
しかし彼の表情はずっと沈んだままでらぎ姉だけを心配し、ここにいる意味を見出せないながみんはさすがに凹んだ。
その頃、隊長代理として忙しく指揮し続けた紗月は、ホテルの部屋でゆっくりシャワーを浴びながら乳房を揉み解していた。

自画自賛して労ってあげたい気持ちイイ疲労感。
グッと肩を伸ばし、湯舟に浸かってホッと一息。
山形市を安全地帯にする作戦は滞りなく成功したが、本来の目的を考えると楽観できる状況ではなかった。

山形駅の傍にある山形城、大きな堀があってそのまま避難場所として使えることから市民およそ数十万人が集められた。
まるでグレイの伝説ライブ会場かのような様相を呈しているそれは、紗月の指揮の元、救助された人々で出来上がったものだった。
デモの取材からここまでついてきたカメラマンは、紗月の素晴らしい仕事ぶりと未来を見据えた行動に感動の涙を流した。
そして報告を受けた紗月は、山形市民たちに市内の安全が覚悟されたことを伝え、拍手喝采を浴びたのだった。

しかし一つの街を救ったとなればもうただの女子高生でいるのは不可能で、次々に次なる救助作戦の提案をされ、県知事との面会、自衛隊とのやり取りなどが持ち込まれた。
人生で初めて人を纏める立場になった紗月は明らかにキャパオーバーで、こうして一人になれたところでようやく愚痴の一つも吐き出せた。
彼を助ける目的のための戦力確保という点では成功し、英雄としての立場は盤石になっているのだが、ここまで大規模になって一人を助けに行く作戦を通すのは厳しいと言わざるを得ない。

さて、正直に訴えるかまた嘘をこねくり回すか思案し始めたその時、関が訪ねてきた。
いや真面目な話があるらしいのは山田で、神妙な様子で切り出した山田は、嘘を吐いた動機を言えと問い詰めた。
端から隊長代行を指名されたなど信じていない山田は、嘘を吐いたことはどうでもよくその動機を知りたかったのだ。

そこで物言いがキツイ山田に代わって関が割って入り、自分たちと同じように秘密の目的があるなら言ってごらんと優しく促した。
それで紗月は目的が共通しているかもと感じ、たくさん仲間が必要で?一見不可能に思えて?と訊ね、それも同じだと間違いないと確信した。
そしてもう一つ、隔離地域と関係があるのも同じだと分かると、打ち明けるのを躊躇う理由が消え去った。
だから紗月は彼を救出することだと明かしたが、関たちは犯人の殺害だと答えたのだった。

生と死でやることが全く違うと分かったその頃、東京では保菌者の進化スピードが他の地域と一線を画していた。
感想
インフェクション189話190話191話でした。
自分のいやらしい弱さを自覚している紗月だからこそ、小憎らしいタイプを誘導するのに長けているようですね。
関の熱さはブラタモリとかで見てみたいですし、住んでいる場所でマウント取ろうする人は本当に憐れですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/73433









































