立花の叫び
かりんが咄嗟にゴングを鳴らすと大人しく止まってくれたが、ガロウは確実にゾンビの色が強くなっているようだった。
ともあれかりんは予定通りに無防備な背後を狙って、思いっきり飛び蹴りを食らわせようとしたが、逆に足首を掴まれて投げ飛ばされ、返り討ちにされてしまう。

そしてミキにも殴り掛かり、いよいよ一流格闘家の強さと経験を備えた単なるゾンビに変貌しようとしていた。
いくらミキとかりんが人並外れて強かろうと、無尽蔵の体力を持った日本一の格闘家相手では捕獲など不可能に近い。
もちろん佐藤などワンパンKOされて当然だが、彼はミキとかりんこそ生き延びるべきだと覚悟を決め、しゃにむに立ち向かった。
しかし勇気だけではどうにもならずに殴り倒され、大きな口が迫る。

だが立花の怒号が放たれると、ガロウでさえも佐藤から離れて身動きしなくなった。
すると試合終了だとみなして静観していたガチファンゾンビたちも動き出したが、それも立花の叫びでピタッと止まった。
立花は訳が分からない自分の能力が怖くなるが、3人の命を助けて感謝されると、今はそれだけで十分だと思えた。

こうして大ピンチに陥りながらも、立花様々でA級ゾンビ捕獲に成功したのだった。
一方、RWCは放置車を乗り継いで遭遇するゾンビをゲーム感覚で倒しながら、ミキたちの学校を目指していた。
目的は食糧と美少女JK二人だが、その情報は猿渡が流したタレコミで知ったことだった。

もちろんそれは、デパートコミュニティを守るためにミキが猿渡にあえて流させたものであり、学校に誘い込んで返り討ちにするつもりだった。
RWCは暴力で略奪を繰り返す救いようのないクズ集団で生かし活かす価値はなく、ミキにとって国作りの障害でしかなかった。
今回、怪我をしている佐藤は立花と隠れ、ミキとかりんも直接対決をしない安全な作戦だった。
欲望を満たすことが行動原理のRWCは誘い込まれているとも知らず、校舎の窓に美少女二人を見つけると我先にと校舎に駆け込んだ。
暴力自慢の男たちは手の平で踊らされていることに全く気付かぬまま、それらしく階段に見張りを配置するが、やはり大した統率など取れずに我先にと動いていく。
そして人が住んでいるのにゾンビがいることに大した疑問も持てぬまま挑みかかり、一番槍はあっさり一発KOされた。

そのタイミングで教室からゾンビを解き放ち、RWCをA級ゾンビで挟み込んだ。
武田ガロウを含めて異常に強いゾンビが混じっていると分かった時にはもう遅く、今まで好き放題やってきた彼らはあっさりゾンビ軍団の仲間入りをした。
リーダー一人が逃げたが、一人でゾンビワールドを生きられるとは思えないし、万が一しぶとく生きられてもそれはそれで、学校コミュニティが恐ろしいと噂を流してくれれば役立つとミキは考えた。
そして今回の挟み討ち作戦も、立花の言葉がどこまでゾンビをコントロールできるのか検証した末に考えた作戦だった。
ゾンビ軍の大幅強化、食糧確保も済んだこのタイミングで、ミキは防衛からシフトチェンジすることにした。
国作りの本格化を考えたミキは、今後の国民増加や各コミュニティの繋がりが増えた場合に最も重要な、ゾンビがいない安心安全な交通網の整備に取り掛かった。

感想
キングダムオブザZ4巻でした。
面白度☆7 立花度☆8
あわやゾンビになりかけるピンチもありましたが、チートキャラ立花の大活躍でサクサク進むようになりましたね。
これから国作りが本格的になってきそうなので、人間同士の争いやゾンビバトルの殺伐感から、日常的な展開が増えそうで楽しみです。
https://www.kuroneko0920.com/archives/78545




































