アウレリアとはキスもできず、絶望だけを持ち帰った。
目の前の黒エルフは初めての相手で力を授けてくれた恩人で、しかし力の使い道が無くなったばかり。
そのやるせなさと溜まったモノが合わさり、獣のようにむしゃぶりつきたくなる。

アルクがとんでもなく溜まっていることが嫌でも分かったラティは微笑ましく感じるが、しつこくむしゃぶりついて来ようとするのでするりと躱し、今はおすすめしないと忠告した。
せっかく溜まったマハトには、他に使い道があるからだと。

ラティは薬と本を用意した。
薬はアウレリアへの恋心を消し去れるもので、マハトが通う血とは正反対の効果がある。
本は呪力が込められた禁忌の魔導書で、魔力の高い者を呪い殺せる呪殺本。
ラティは、アウレリアを忘れるか、皇太子を殺して呪いの貞操帯を消すかの選択肢を与えたのだ。
誰でも使えるような魔導書ではないのだが、特に魔法の修行をしてきた訳でもない今のアルクが使えるのは、白黒エルフと3Pをした時のマハトが、まだたっぷり蓄積されているから。

もちろん呪い殺して終了とはいかず、人を呪わば穴二つ、ウェンヌを凌辱して孕ませた時のような暴走モードになる覚悟が必要だった。
さてどうしたものかと思案したアルクは、そもそもラティが皇太子を殺させたがっているのではと思い、そうさせた先の目的はなんだと訊いてみた。
それが本音かはぐらかしたのか、ただ役に立ちたいだけだと答えたラティは改めて、二つの生きる道を提示した。

どちらも選ばない道もあるのに、アルクはもうアウレリアを忘れるか皇太子を殺すかの二択だけで揺れ動いていた。
アルクが大きな選択を提示された夜は更け、祝宴二日目に入った。
ジョアンナがキラキラと目を輝かせてミウと話を弾ませているのは、彼女も同じ学校出身だと分かったからで、気の強い魔法処女と涙もろいバリア使いは友情を育もうとするが、くりくりお目目の彼女はまたぽろぽろ泣き出してしまう。

しかしそれはジョアンナのはしゃぎようで学生時代を思い出した、懐古の涙だった。
ミウの可愛いところが発揮されたと思えば、セリーヌとガビアルの眼鏡腹心は久しぶりに顔を合わせても、今にも剣を交えそうなほど火花を散らした。
他にも醜く女の争いを繰り広げている者たちがいた。
悪食と呼ばれるのが似合い過ぎるカイメイアは強靭な歯でグラスごと噛み砕きながら、相手のトークの面白さを全否定していた。

その相手とは酒場でゴロツキとトラブルを起こした未亡人のボーアだ。

































