美少女双子
榎たちが巨蟲に襲われていた現場と離れた同じ山の整備された遊歩道で、プロレスラーの父親とレスリングをしている娘がトレーニングで走り込んでいた。
双子の妹でJCの陸来は、姉の海美と比べて才能がないんだと嘆き、レスリングを辞めたいと叫ぶほど追い込まれていた。

それは先日、より実力がある海美が自分を庇って交通事故で大怪我をしてしまったからでもあった。
親子がそんな重い話をしていると、酒臭さが漂ってきたのでマッチョな父は迷惑キャンパーかと思い、注意しに森の中へ。
すると程なく父の悲鳴が轟いたので陸来も駆けつけると、ムカデのような巨蟲に父が襲われているところだった。

JCに助けられるはずもなく、もう走れそうもない父は娘に逃げるよう促し、時間を稼ぐために覚悟を決めた。
さすがの父でもあんなモンスターに敵う訳がないと察しながらも恐怖で逃げた陸来が夢中で森の中を突っ切った結果、下山途中の剛たちに鉢合わせたのだった。
粗く削られた樹皮から樹液が漏れ、それが酒臭さの原因になっている一帯。
その辺りには三つ、いわゆるミノムシであるボクトウガの幼虫の巣があった。
肉食で戦法次第ではスズメバチとも渡り合う獰猛性の持ち主である幼虫ボクトウガ。
果たしてどの巣に潜んでいるか注意を払っていたが、現れたのは彼らの頭上からだった。

樹液に虫がいなかったことから意地でも人間を捕食しようと飢えているボクトウガを退けるには、ほぼない視力を利用してこっちの方が強いと思わせる必要がある。
これまた頭部が固くて腹部が脆い体質を攻めるため、剛が注意を引いて他の者が投石を食らわす協力ヒットアンドアウェイでいくことに。

あっちこっちから投石を食らったボクトウガは未知の敵に警戒して巣に引きこもり、自分の優位なスタイルで戦おうとするので、ならばその隙に逃げるだけだった。
こうしてボクトウガから逃げ切ることはできたが父を見捨てたままの陸来が咽び泣き、何もかも自分のせいだと卑下するものだから、榎はまだ幼い少女を強く励ました。

しかし陸来には、まだ下山できない理由があった。
父の安否は分からず今は助けに行くのも諦めるしかないが、少し離れたキャンプ場に母と双子の姉の海美がいたのだ。
もちろんその辺りも巨蟲の脅威が迫っている危険地帯だった。
まだまだ若さ溢れるママは生涯現役を誓うテニスプレーヤーで、事故に遭った海美は車椅子。

そんな二人に襲いかかったのは、童謡にも登場する危険なイメージの無い昆虫だが、実は土中も水面も空もイケるハイスペックな種だった…
その種から逃げ切るため、活躍の場を得たのは最後のクズと自己否定が凄い陸来だったのだが…
感想
巨蟲山脈4巻でした。
面白度☆8 くノ一度☆9
命懸けで剛を庇おうとする若尾の献身さは、まさに主君に仕える忠心篤い家来のようですが、現代の男女に照らし合わせればやはり吊り橋効果で跳ねあがった愛なんでしょうか。




































