ヒグマグマ3巻
一体誰が首を床下に投げ入れたのか。
欲望のために人間性を放棄できるゲスプロデューサ―が疑われて当然の言動をしてきたが、クマの習性を熟知していて推理を披露した秋辺の自作自演か、それとも真っ先に小屋を燃やすのが最善だと行動を起こした辰見教授か、若しくは思いも寄らぬ別の誰かか。

とにかくプロデューサーと音声、この二人が飛び抜けてクズだと次から次に白状していくのは変わらない。
小屋が燃え上る黒煙が異様な物悲しさを残しながら、一行は安全だと思いたい山上の目的地へと足を進めた。
一方その頃、知床に着いた札幌支社の局員二人が文句を垂れながら車を走らせ、超危険地帯に入り込んでいた。
大事故でも起こしたかのような車の残骸を発見してから黒煙の地点まで到達し、炭になった小屋の成れの果てと人間の一部を見ても、マスコミに所属すればすべからくゴミになってしまうのを証明してしまう。
安全確保と状況報告よりも欲望を優先した結果、取りあえずとばかりに犠牲が増えた。

とにかく自己弁護しながら我が身可愛さ最優先で逃げ出す眼鏡は、恐怖と愉悦の笑みを零しながら車を走らせるが、やはり彼もゴミなのを自らの命で持って証明してしまう。
この大事件をネタに上司を脅して大出世でも目論んだ結果、尊い犠牲が出ている内にさっさと逃げればいいものをそうせず、化け物と遭遇した恐怖、同僚が喰い殺された恐怖、そして追いかけられて自分も同じ目に遭う恐怖を体験する羽目になったのだった。

スマホ越しに断末魔と肉がぐちゃぐちゃにされる音を聞いたことで、局はようやく通報することにした。
局員が殺されている頃、撮影クルーは普通のヒグマに遭遇しながらも何とか人的被害を増やさずに歩みを進めていたが、森林限界に入った辺りでおぞましい光景にぶち当たった。
木々が途切れて開けた場所で、無数のエゾリスがぽっくり死んでいた。
おそらく火山ガスによる窒息死と思われ、人間も下手をすれば同じ目に遭う危険性を孕んでいた。

普通のヒグマや火山ガスの危険をどうにか切り抜け、一夜を過ごす予定の鉱山施設後に着いた。
しかしそこには絶滅危惧種を狙う密猟者3人組が先に潜んでおり、人間同士の新たな争いが起こりそうな緊張感が跳ね上がった。
密猟者には密猟者の言い分があり、秋辺のようなハンターにはハンターの言い分があり、お互いを蔑んでいるが、動物には大して変わらない悪魔に見えるだろう。
そして彼ら密猟者もテレビ局のゲスと同じく、噂のヒグマを捕らえて一攫千金を狙う命知らずのバカだった。

ヒグマに遭遇して既に数人が殺された一行は、密猟者がバカに見えて仕方なかった。
銃が数本増えたところで見上げるような規格外のモンスター、車も小屋も人も同じようにバラバラに破壊する様を見たのだから。

もちろん常識も倫理観も危機意識もない密猟者は、自分が無残な最期を遂げるなんて思いもしないからこその密猟稼業。
そしてこの事態において、局はまだ自己保身のために映像回収して隠蔽しようと新たな局員を送り込み、軽く脅された警察も警察で地震対応を言い訳に、現場に出る予定のない事務職採用の可愛らしい女性職員一人を同行させることにした。
局は局で最悪の事態を広げ続け、警察も体面だけ守る対応でやり過ごそうとする、腐敗度はいい勝負である。

組織がより腐っていく中、下半身が常に疼いている外道の馬場は盗撮動画をネタにまた麻友を連れ出し、猛り狂うイチモツをスッキリさせようとするが、極限状態でおぞましい欲望をぶつけられ続けることに我慢ならなくなった麻友は、ようやく反撃に打って出ようとした。
しかし密猟者側の眼鏡も馬場に勝るとも劣らない下半身に支配されたゲスで、二人のしけ込みに割って入って馬場に殺意をチラつかせ、男の勝負に勝った。
勝手に賞品扱いされ、音声クズから密猟者クズに代わっただけで同じ目に遭わされるだけのストレスフルな麻友にとって、殺さなければならない相手が増えただけ。

ただギリギリで異変を察知した秋辺が凄いライフルの腕で助けに入り、性犯罪密猟者の凶行を阻止した。
密猟者の犯罪臭がより高まった夜が明けて早朝、事件が発生した。
AD鴨下が殴り殺された馬場を発見したのだった。
凶器もご丁寧に血まみれの石が傍に転がっており、人間同士の憎悪が爆発したのは明らか。

犯人は銃とナイフを持ってイキり散らしている性犯罪密猟者か、それとも馬場と同類プロデューサーか、やはり麻友が復讐を果たしたのか、セオリーで第一発見者か。
そしてその日ようやく、可愛い警察事務官によってヒグマ被害が明るみになった…






































