一人では対処し切れないと思った美紀は車に戻ったが、誰もいなかった。
しかしすぐ後でアキが訪ねてきた。
外を一人でうろついていたのを見て心配してくれたらしく、校舎に戻って一緒に他のメンバーを探そうと言ってくれたことで、一気に不安が和らいでいった。
くるみを追いかけていたゆきは、サイレンが止んだ直後に見慣れたシャベルを見つけ、ゾンビに襲われないよう塀に登って辺りを見渡した。
すると、蠢く群れの中にくるみを発見し叫んで名前を呼ぶと、確かに反応があった。
だが必死に声をかけるのに集中しすぎて塀から落ちてしまい、瞬く間にゾンビたちが近づいてきた。
だが、まだ正気を保っていたくるみが覆い被さってくれると、ゾンビたちはゆきを見失ってあてどもなくどこかへ歩き出した。
くるみは確実に人間としての意識が薄れて行くのを感じていて、迷惑をかけないように学園生活部から抜けようとしていた。
しかし、足手まといになろうが迷惑になろうが、勝手にいなくなってどうなったかも分からないようないなくなり方は許さないとゆきに言われてしまう。
著者名:千葉サドル 引用元:がっこうぐらし9巻
ちゃんと現実が見えている彼女の言葉に胸を打たれ、くるみは最後まで一緒にいることを決めた。
るーちゃんを探しに出たりーさんは、どんどん増え続けるゾンビから逃げながら校舎に入り、武闘派に捕まった場所までいって無事に発見することができていた。
しかし彼女の視界の中でも、るーちゃんはぬいぐるみのように身動き一つしない状態になっていた。
著者名:千葉サドル 引用元:がっこうぐらし9巻
動かないそれを抱きかかえてゾンビの声に震えてしばらく経つと、小さな指が微かに動いて目を開き、カーテンの隙間から差し込む光を指差した。
廊下はゾンビが溢れている。
ここから飛び降りるしか助けられる道はないと覚悟を決め、彼女は思い切って飛び降りた。
土になった植え込み部分のおかげで大怪我はしなかったが、衝撃で足首を痛めて倒れている間に、ゾンビが近づいてきた。
抱きしめる腕に力を込めてギュッと目を瞑った直後、シノウが助けに現れた。
アキが美紀を連れて穏健派がいる部屋の下に着き、カーテンで作った即席のロープをアキが上り始めた直後、一台の車が猛スピードですぐ傍の壁に衝突してきた。
運転席から出てきたタカヒトは、ボウガンの狙いを美紀に定めた。
まだ解毒剤があると信じて疑わず、美紀を人質にそれを出させようと必死になっていた。
著者名:千葉サドル 引用元:がっこうぐらし9巻
だが矢が放たれる前に、彼の背後からシノウがアイスピックで腕を刺してボウガンを取り落とさせ、完全に反旗を翻した。
取り囲まれた彼は抵抗を止め、ふらつきながら排除してきた仲間たちがいる墓を囲う壁に上り、彼らの恨みの視線に恐怖しながらも、まだ自分は生き残るべき人間だと言い聞かせる。
そこに計ったようにアヤカが現れ、彼を突き落とし、後腐れがないように火を放った。
著者名:千葉サドル 引用元:がっこうぐらし9巻
世が明け、新しい一日が始まろうとしていた。
アヤカは予定通りに車に乗って大学を出て、別の場所を目指した。
走り出して程なく、車が急に異音を出して動かなくなり、キーを回してもエンジンはうんともすんとも言わなくなった。
獲物を見つけたゾンビがあっという間に群がってきた。
感想
がっこうぐらし!9巻でした。
面白度☆8 勧善懲悪度☆6
確かに武闘派は多くの罪を犯してきましたが、この状況でそれを責められるのは、切り捨てられた人だけでしょう。
これで一先ず平和が訪れましたが、これから向かうべきところがあるので、いよいよ課外授業の本番というところでしょう。
りーさんの心理面や、効果のある薬の有無、誰が残り誰が行くのか、トラブルはどちらに起こるのか、それとも両方か。
10巻が待ち遠しいですね。
































