13話
もっと知りたいと思いながらも、気持ちに蓋をしてきたよしの。
ベリアルの拒絶にあってもいつの間にかちゃんと眠れていて、朝の目覚めも悪くなかった。
しかし、ベリアルは昨夜のことがなかったかのように今までと変わらない態度で接し、彼女が今度出席する結婚式のためのドレスを買いに行こうと誘ってきた。
貞操を奪うのを途中で止めたほど怒ったはずなのに、なぜそんな平然としていられるのか理解できなかった。
やがてすぐに友人の結婚式の日がやってきて、自分には訪れない幸せな光景を見た。
他人同士が一緒になって幸せな一歩を踏み出しているところは、彼女にとってとても残酷であり、またどうして拒絶されたのか考えてしまう。

偶然にもブーケまで手に入れてしまい、迎えに来たベリアルが、自分のためのブーケを持った時に隣にいれる相手ではないのが、どうしようもなく辛かった。
他人の結婚式を見たせいで、また愛する人と家族を作りたい思いが強くなり、一生このままなのかと訊いた。
希望のない、欲しい未来じゃない答えが返ってくることは分かっていたし、その通り、ただ欲望をぶつける相手として、人間みたいに心変わりせず一生そばにいると言われた。
しかしやはり、愛で繋がった家族が欲しいと彼女は言い返した。

どれだけそばにいて尽くしてくれようと、ベリアルには一番重要な愛がなかった。
そう言われたベリアルはイラつき、すぐに結婚だ家族なんて言うのはいかにも処女らしくてめんどくさいから、いっそ魔女たちのところへ行っておけば良かったと畳みかけた。
すると彼女の目から、ポロポロと涙が零れ落ち始めた。

ベリアルが期待するような反応ができなかったのが拒絶された原因だと思っている彼女は、流れで感極まって泣いたせいなのかと訊いた。
それこそ、自分が無言の拒絶をされたのだと思っていたベリアルは、あの涙の意味を理解し、さっき吐いた暴言を謝って、嫌がっている状態ではしたくなかったからだと本音を打ち明けた。

それは本当の優しさかも知れないと思いかけた。
しかし、この男に愛なんてなく、どんな演技もして見せてきたことから、今回もまた何かを企んだ駆け引きなんだろうと思った。
男として好意を抱いている。
それを知られてはいけない。
何回もされてきたキスと愛撫で身体が慣れていただけで、拒絶されれば誰でも傷つくと一般的な答えでするりと躱した。
その日の寝る直前、旭を愛しているのかと訊くベリアルに、はっきりと言葉は返さず、愛を知らない天使を慰めるように軽くキスを返した。
ベリアルは元から、罪悪を与えるために神に創られた天使だった。
堕ちたのは関係なく元々愛を知らず、前の契約者にも愛しているフリをして虜にさせただけだった。
そうと知った彼女は、改めて自分の気持ちを知られてはいけないと戒めた。

感想
この愛は、異端11話から13話でした。
2巻に収録予定なので、コミック発売を心待ちにして欲しいと思います。
ベリアルはよしのがもっと小さな頃に出会っているようですし、彼女も懐いていた様子。でも彼女は覚えていないのは、小さかったからか何か忘れたくなるような出来事があったからか。
やはり、元々狙っていて、情が湧き始めたのかも知れません。
https://www.kuroneko0920.com/archives/43242
































