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60話

ビッグウェーブに歴戦のプレジア号が破壊され、マカナの操舵術とリノのエールを発揮できる場所がなくなってしまった。

 

 

 

どれだけの時が経ったのだろうか、ルーミは生きていた

 

どこかの部屋のベッドに寝かされ、服もちゃんと着せてもらい、暖炉で薪も焚かれて至れり尽くせりの歓待を受けていた。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

そしてハッと目を覚まし、辺りを見回して自分がどこにいるのか分からず戸惑った。

 

直後、軽やかな足取りで近づいてきたのが、運良く同じように助けられたらしいマカナリノだった。

 

ルーミの目覚めに喜び勇んで笑顔を零す二人も、この小屋の主に助けられたのだった。

 

 

その命の恩人は、ベッドサイドでチクチクと針仕事をしていた。

 

片目だけ眼鏡をかけた、ハナハナとは違い見た目から知的さを醸し出している彼女は、目覚めたばかりのルーミの体調を慮ってくれた。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

マヤと名乗った彼女は、砂浜に打ち上げられていたルーミたちを運んだことを丁寧な語尾で言うが、なかなかの重労働だったことも遠慮せずに愚痴った

 

気を利かせて武器も拾ったし、全裸だったのに服も運良く打ち上げられ、チクチク修繕している最中だという。

 

 

それはとてもありがたいことだが、今一番知りたいのは、彼が無事でいるかどうかだった。

 

しかし、非情にも打ち上げられていたのは交尾をするためだけに生まれてきた女の子3人だけだった。

 

一番聞きたくなかった事実を聞かされたルーミは一瞬で青ざめた。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

目覚めたばかりだろうと関係なく拾ってもらった剣を携える冷静さを保ちながら、すぐ小屋を飛び出した。

 

 

小屋が建っていたのは、何かが打ちあがったらすぐ分かりそうな砂浜のド真ん中だった。

 

そんなことは気にせず、ルーミは彼の名を叫んで探し始めた

 

 

彼が打ちあがっていなかったということだけで泣けてきたルーミはポロポロ涙を零しながら、ひたすら彼の名を叫び辺りを歩き始める。

 

その叫びに答えるものはおらず、不憫なルーミを止めることもできないマカナ&リノは、ゆっくりと後を追いかける。

 

 

最後の一叫びは、まさに腹の底から絞り出した心からの叫びだった。

 

聞いていられなくなったマカナは、もしかしたら目的地であるサンドリオで彼と合流できるかも知れない可能性を上げ、希望を繋がせた

 

落ち着きを取り戻したルーミは、サンドリオに肉欲の日々の未来を託した。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

 

場所は変わり、犯人が追い詰められたり自殺の名所になりそうな断崖絶壁。

 

激しく波が打ちつけるその場所に、頭からケープを被って顔を隠している二人組がおり、何かを発見していた。

 

それは、一人寂しくはぐれて打ち上げられて磯に引っかかっていたヨータだった。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

怪しい二人組みは彼の首の脈を確認し、視線を合わせた。

 

彼は次の町に着く前に溺死してしまったのだった。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

 

異世界でまた死んだ彼は、現実に意識を戻されていた。

 

体中包帯だらけで片手足は失ったままなのは変わっていなかったが、ダメージはとんでもなく増えていた。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号

 

 

呼吸器を付けられ、最早生きているだけのボロ雑巾状態だったが、意識はしっかりしていて、早くも死の番人が現れたことにも気づいた。

 

 

動けない彼を見下ろすダークニコちゃん。

 

 

彼はどこの誰で何が目的なのか質問することしかできず、訊いてみると、なんとニコちゃんは普通に返事をしたのだった。

 

彼が好きだからだと答えたニコちゃんの中身は、今も始まりの街でオナニーに狂っているはずのリリアだった。

著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2018年46号