60話
彼が来ないまま今日の授業は終わり、チャイムが鳴ってしまった。
先生は寂しさを隠しきれずに教室から帰っていく生徒たちを眺め、彼の机も見た。
可愛いと言ってくれたおでこ出しヘアスタイルを見て欲しくて、自然と髪留めに手が伸びる。

もうつける意味もなく、外そうとしたその時、教室の扉が開いて彼が駆け込んできた。
彼が大遅刻したことで二人きりになれたのだが、彼が遅れた理由が母の体調不良だと聞いて先生はびっくりするものの、大したことはないという。

ただ、お客さん商売だから彼が代わりに配達を行い、この時間までかかってしまったのだ。
それよりも彼はすぐに先生の髪型の変化に気づいて褒めちぎり、可愛くて堪らない照れ顔を出させる。
しかし、彼以外は誰も髪型の変化に気づいてくれなかったらしく、寂しげに目を伏せる。

でも先生は、彼が褒めてくれたから夢見る心地で、もう少し続けてみます、なんて可愛すぎる反応で彼の心をわし掴み返す。
慌てた彼は思わず「好き」の言葉を零してまた先生の心をわし掴み、嬉しさの上限が飛び越えた先生は感情の高ぶりに任せて彼に擦り寄った。

その直後、タイミング悪く生徒が教室に入ってきた。
忘れ物を取りに戻ってきただけらしい男子生徒。
彼は咄嗟に禁断の愛を見られてはまずいと思い、戸棚に飛び乗りカーテンで隠れて気配を消そうと必死になっていた。
チンタラしてさっさと忘れ物を見つけない生徒にイライラしてしまう彼は、仕方ないとは言え、先生と密着している状況があまりに気持ち良過ぎて性的に耐えられるか不安だった。

好きな人の柔らかさといい匂い。
男子高校生が我慢できるはずもなくあっさり勃起。

せめて先っぽが先生の大事なところに当たらないよう腰を横にずらそうとするが、顔はむしろより近づき、今はそっちの方がお互いに恥ずかしい。
夢見心地だった先生もハッと我に返り、慌ててバックして離れようとした。


































