その後で神原がスパッツの下はノーパンだと暴露した辺りで例のマンションに着き、忍を一目見た神原は今日一番の笑顔を見せたが、関わるなと言われてスカートをたくし上げる手から力を失わせた。

忍野に会ってエグイ自己紹介をした神原の話によれば、猿の手は母の家に代々伝わっていたものらしく、神原が小3の時に両親がエグい交通事故で亡くなり、祖父母に引き取られた後は色々とイジメに遭ったという。
そして恨み辛みを募らせた神原は猿の手の封印を解き、足が速くなりたいと願った。
すると、のろまと罵ってきた同級生を追いかけて恐怖に陥れる愉快痛快な夢を見た。

もちろんそれは現実で、襲われた同級生たちは死ななかったものの、翌日学校に来なかった。
それでも、のろまと罵ってくる相手が別にすり替わっただけ。
だから神原は走り込んで本当に足を速くしようと努力し、ついには運動会で一等を取れるまでになったが、一位を持続するハードさを考えて小柄だからスピードを活かせそうなバスケに移行し、そこでも努力を惜しまなかった。
やがてバスケを愛するようになり、猿の手に関わらない人生が続くと思っていたある日、暦と戦場ヶ原のイチャラブを目撃して、あっさり手軽な欲望の叶え方にまた手を出したのだ。
そこまで話を聞いた忍野は「ファウスト」のワードを出して暦の知識の無さを小バカにしてから、猿の手は右手であり、神原の左手はレイニーデヴィルだと訂正した。

猿の手ではなく悪魔の手から逃れる方法は二つ、手っ取り早く侵された腕をちょん切ってさようなら。
それはさすがに暦が難色を示すが、忍野は「足が速くなりたい」と願ったのに同級生をぶちのめすのは道理に合わないことを指摘した。
昔話のように語られる願いを叶えた者たちは、例に漏れず不幸になっているが、神原の場合、不幸になったのはぶちのめされた同級生だけであり、神原自身は何もペナルティがない。

神原が確かに足が速くなりたいと願っていたとして、心の奥底では両親が死んで精神的にどん底にいる時に下らないイジメをしてくる同級生に殺意を抱いたとしても当然。
左手はそれを実行すべく圧倒的なパワーを与えただけで、全ては神原自身の意思で動いた結果だった。
だから、戦場ヶ原を奪った暦にも殺意を抱いていた。

そして忍野は最後に、暦が殺されることでも神原は左手の悪魔から解放されると言った。
神原もそれを否定できなかった。
ただこの二つの方法はあくまで手っ取り早いパターンで、もう一つ、めんどくさい方法として、暦が圧倒的強さで神原を退け願いを叶えさせなければ契約は無効となり、恐れをなしたレイニーデヴィルは離れていくはずだった。
両者とも再戦を受け入れた後、暦は忍にちゅうちゅうと血を吸わせて吸血鬼の力を強めた。
春休みの時の暦なら余裕で勝てるレベルの低級悪魔のはずだったが、背後を取られた彼はさっそくまともな一発を食らって顔面崩壊した。

そして始まったマンションを崩壊させかねない人外同士のガチバトル。
左手しかなかったことが不幸中の幸い。
暦は薄っぺらい優しさを捨て、神原の怪異を解決、自分も殺されずに済み神原も助かり、ならば恩を感じた神原に何とか戦場ヶ原と元通りの仲良し先輩後輩に戻ってもらうことも可能。
すると戦場ヶ原のドギツイツンデレが柔らかくなり、童貞を殺す服でデレてくれるかも知れない。

暦はそんな未来を夢想した。
しかし、自分の左手を心底憎んでいる神原は思いのほか冷静だった…
感想
化物語5巻でした。
面白度☆7 ローキック度☆7
するがモンキー編クライマックス突入で、エグいバトルのラストは6巻に持ち越しですね。
特装版は短々編、カラー口絵、図説紹介など盛りだくさんです。
https://www.kuroneko0920.com/archives/60221




































