46話
君嶋の彼への愚痴で始まった午後のティータイム。
一体どんな環境で育てられたら、あんな四六時中エロいことしか考えていない色魔になるのか君嶋が疑問を口に出すと、その答えを知っているラネが言った。
聖母になる姉のパートナーを務めているラネは、仕事として彼の生い立ちを全て調べ上げていたので、聞きたいなら話すという。
ただ、ルネは変に先入観を持たないよう、あえて彼のデータは見ていなかった。
そして今、彼の幼少期を知っているだろうショートカットの美女と偶然の再会をした瞬間をルネは目撃し、今までにない表情を見せる彼を知った。

「よしくん」「さくちゃん」と親し気に呼び合うや、十数年ぶりの再会に相好を崩した曽我咲耶ははしゃいだ声で再会を喜び、お互いいつ東京に出てきたのかを伝え合った。
どの辺りに住んでいるのかも話した後で、咲耶は放置されていたルネにも声をかけ、超絶美少女とデートしている彼をからかって肩をぐりぐり押し、かつての空気感をあっという間に取り戻した。
その辺りで仕事に戻った咲耶の背中を温かく見守った彼の表情はやはり、ルネが今まで見たことのないものだった。

そして彼はお会計の時に、札と一緒にラインのIDを書いたメモを渡した。
去り際にちゃっかり連絡を待ってると合図を送って店を出たが、咲耶は困ったような笑顔を返すだけだった。
その夜、彼は深夜まで咲耶からの連絡を待っていたが、新しいメッセージが来ることはなかった。
翌朝、いつものように朝食の準備をしていた君嶋は鼻歌を歌いながら気分よく味噌を溶かしていた。
その時、背後から不穏な足音が聞こえたので、またいきなり手マンされないよう包丁を構えて身構えたが、彼は完全にスルーして冷蔵庫を開けてパック牛乳を喉に流し込み、何もせずに出て行った。
いつもと行動が違い過ぎる彼に、君嶋は違和感しか感じなかった。
そして次は、由井園が用を足しているところに彼が突入。

鍵をかけ忘れていた由井園は自分のミスを呪いながら、すぐ彼が放尿プレイを強要してくるイメージを膨らませ、どうにか思いとどまってもらおうと慌てふためく。
とは言え、タイミングさえ違えばどうしても嫌というほどでもないので、今度というエサをチラつかせた。

しかし彼は、普通に謝りつつ鍵はちゃんとかけとけと注意するだけで、全く欲情せずにドアを閉めたのだった。
由井園もまた、彼とは思えない行動に逆に呆気にとられた。
次はリマが衝撃を受ける番だった。
社内で二人きりになるのは最早当然、教育係と後輩という立場を利用してトイレの個室でフェラしてあげるのが当たり前になっていたので、今日も今日とて仕事中にイン。
リマは自慢の巨乳を惜しげもなくさらけ出して彼を誘い始める。

しかし彼はリマの巨乳になど目も暮れず、スマホの画面を見続けている。
彼とは思えない反応に驚き、プライドを傷つけられたリマは、ならばと彼のチン〇を取り出し、ふにゃちんをハムっと咥え込んでずっぽり舐め吸い上げた。
それでも彼は全く勃起せずにふにゃふにゃのまま、リマの口の中の空洞状態を維持し、ずっとスマホに気を奪われ続け、更に彼女のプライドを傷つけた。

さしものリマもフェラを無視されたら悲しみに暮れ、罵りながらトイレを飛び出したのだった。
リマが駆け抜けながらはしたない言葉で罵っているのを目撃した由井園と君嶋は、朝から異常行動を取り続ける彼が心配になり、中庭で熱にでも冒されているんじゃなかろうかとおでこに手を当て、体調を訊き、不安感を募らせていく。
そこで君嶋は由井園のスカートを捲り上げて一肌脱がせ、ショック療法を試した。
それでも彼は女子高生みたいなおふざけを注意するだけで、彼女のパンモロに何も反応せず、また女のプライドを傷つけたのだった。

その夜、もう待てなかった彼はまた咲耶が働くカフェに行き、なんで連絡をくれないのか問い詰めた。
恋人のルネに悪いからだと言うが、彼は改めて付き合ってないと否定する。
それで咲耶はまた困ったように微笑み、18年越しの再会を祝うために飲みに誘った。
大人になって初めて酒を酌み交わしてもまだ彼の表情は晴れず、その理由が、以前に再会できると思っていたタイミングで咲耶が来なかったからだと打ち明けると、彼女は破顔して肩を組み、ろくなもんじゃなかった過去を振り返った。
その中で、思い出したいと思えるのは彼と出会えたことだけだという。
その頃、彼を監視していたラネが咲耶と会っていることに驚いていると、ルネがついに曽我咲耶について訊ね、同じタイミングで彼の異変を見過ごせなくなった由井園と君嶋を話を訊きに来た。
3人の覚悟を見たラネは、彼に親がおらず、誰からも愛されない劣悪な環境の中で育てられたことを明かした。
ただ、曽我咲耶だけは彼にとって特別な心を許せる光なんだと説明した。































