戸籍のない子供たち
男は幼い頃、祭りの中の饗宴で村の男の一人に顔を喰いちぎられたと語る。
意識が戻った時には母の腕に抱かれ、村を出てどこか遠くで暮らすようになったが、やがて自分に戸籍がないことを知った。
その事実から男が導き出した答えは、供花村ではわざと戸籍のない子供を作るだった。

男のおぞましい顔を見ても俄かには信じられない話だが、もうすぐ祭りがある今、大悟は捜査しなければならないと思ったが、供花村出身の警官もいる本署には黙っておくことにした。
最重要ポイントは、村人に探っていることを知られずに動くことだった。
しかし、祭りの催し物の練習に初日から遅れた大悟は、またさぶを中心にねちねち詰め寄られ、仕事の電話だと言っても相手が誰なのかしつこく問い質される。
だが、イキ過ぎた詮索を窘める者がいた。
この村唯一の神社の宮司、宗近は他の村人とは違い、明らかに外の常識で動いているように見えた。
それでも村人からは一目置かれて慕われている宗近は、大悟にそっと囁いて後で話す時間を予約した。

有希が酒注ぎにこき使われている頃、外で大悟と二人きりになった宗近は、かつて祭りで子供で口減らししていたこの排他的な村から早く出た方がいいと忠告した。
現代の食人については否定しても、宗近はスマホが衛星電話として使えるケースを使用しており、狩野の協力者だった可能性が高く思われた。

だがさぶたちが邪魔で、仲間になってくれるかは確認できなかった。
雪が積もった日、事故の連絡で現場に駆けつけて見ると、一台の車の外で男が待っていた。
しかし、悪びれもせずに事故は嘘だと白状した男は、食人について狩野に協力していた者だと打ち明けた。

突然現れた、狩野の協力者だという男。
催し物の練習などせずに飲んでばかりの男たちの酒注ぎに忙殺される有希。
有希の目を盗み、ましろを愛おしそうに抱きしめるさぶの娘と、背中に無数にある痛々しい痣の痕。

先日死んだばかりの後藤家当主の銀婆さんが、村の出産を一手に引き受けていた助産師だった事実。
そして、毎年一人は起こる死産と、子供を奪われたと信じているさぶの娘。
大悟はもう手加減するのも下手に隠すのも止め、公務執行妨害は叩き伏せ、村人たちを牽制しながら真実に迫ろうとしていく。

しかし、忘れていたましろの誕生日に新たな事件が起ころうとしていた…
感想
ガンニバル3巻でした。
面白度☆8 逮捕度☆9
ここまでで何人か色々な罪でしょっ引けそうなほど、イキった態度を取っているのに野放しなのは、さすが忖度が重要な田舎って感じです。
閉鎖的な村に住み続けると、自分で考える力も失われてしまいやすいのがよく分かります。






































