120話
カヅチの涙のエールは、最後のプレゼントに繋がっていた。
ガリアから出てきた龍華石を練り込んで作った刀は刀身が黒く、何だか電磁波的な音も発していて、いかにも中二病が好んで使いそうなタイプのやつだった。
これがカヅチからの最高の餞別だ。
黒刀・叢雲。
とある伝説にちなんで名づけられた専用武器を授けられた彼は、感謝を込めてギュッと抱きしめた。

続けてバニーユが差し出したのは今日の昼に食べる弁当だ。
ありがたく彼が受け取ると、餞別なんて全く頭になかったアマネは焦り、追い詰められ、素早く艶やかな髪を切って差し出そうとするも、もらっても使い道のない彼に止められた。

そこに来てペコは彼と別れようが特に感慨もないらしく、男は顔じゃないという上から目線な励ましの言葉を餞別とした。
すると今度は、彼が拘束されているうちに勝手に跨って処女を捧げ、呪いを解いた住人が感謝と性欲のエールを送ってきた。

彼の経験人数の多さにルーミが一言チクっと刺してから、ようやくパイコーンに跨ってさらばサンドリオ。
雄々しく鼻を鳴らしたパイコーンが走り出すと、あっという間に砂漠の山の向こうへ小さくなっていく。
彼は強い決意を胸に、仁科の記憶を取り戻して世界を救うんだと誓った。
しかしこの砂漠は長く、一日では抜けれそうになくて、似たような景色の中を揺られながら昼頃になり、岩陰で休憩を取ることにした。
彼はルーミでは提供できないボリュームたっぷりの肉を頬張りながら、仁科がいるこの状況で、今までみたいに野外交尾ばかりの展開にはならないだろうと考えた。
さすがのルーミも発情しない仁科に見られながらとは考えたくなかったが、ルーミはもうムラムラが最高潮らしく、彼の隣に座っているだけで愛液を滴らせていた。

果たして、ルーミは欲望に任せて交尾を求めるのか。
一方、現代の彼は仰々しい延命装置に繋がれ、機械に生かされていた。
父親らしき男は変わり果てた息子の傍で、医師から脳に障害があり、意識を取り戻す可能性は極めて低いと告げられた。
延命中止という選択も許され、チューブを抜けば程なく死を迎えさせてあげられる。

選択を迫られた男は、息子が自ら3度も飛び降りた事実を鑑み、ここで死なせてやることがせめてもの親がしてやれることだと思い、延命中止を決断したのだった。

































