二つの親子愛
後藤家と銃撃戦を繰り広げ、唯一生き残ったのは率いてきたグラサンの刑事だった。
巨男の岩男に床下地下の拷問部屋に連れ込まれたグラサンはしかし威勢を削がず、国に喧嘩を売った以上、もう負けは確定しているのに殺意を維持する姿勢を皮肉り、70年前の殺し合いと同じようだと指摘した。
かつて起こった、後藤家とそれ以外の村人との殺し合い。
なぜそんな昔のことをグラサンが訳知り顔で知っているのか。

後藤銀は三兄妹の末っ子長女なのに、なぜ極道の妻よろしく当主となり、連綿と狂気を伝播させ続けられたのか。
不可解な死を遂げた兄二人、その長男は金次という男でグラサンの祖父だった。
父から後藤家への恨み言を事あるごとに聞かされていたグラサンは、銀とあの人が何者か、今の後藤家がどうやって創られたのかを知っている生き証人だった。
襲撃を受けて以降の千堂、菊田と連絡が取れず、署長も重傷、目の前で仲間を4人殺された別動隊。
完全に国VSトチ狂った一族との全面戦争になってしまったが、妻子を人質に取られた大悟は後藤銀の死体が見つかった時から始まった、自分と後藤家との因縁だと宣言し、あまりの怒りに鼻血を垂らした。

攫われた有希とましろは後藤家まで連れていかれ、銃を手にした男たちに囲まれ、イカレタ妄執に囚われている獣臭さを体験していた。
後藤家のみが人間だと妄信し、だから平気で人を食らうおぞましき一族。
大悟への恨み辛みもまた凄まじく、目の前で喰うか殺すかを思い描いた。
しかしずっと乗り気でない恵介の態度は、いよいよ裏切り者のレッテルを貼られようとしていた。

グラサンが話した驚愕の後藤家の秘密は岩男の頭の中に留められ、また一人志半ばにしてこの世を去った。
知らぬ存ぜぬ訊き出せぬを装った岩男の自己判断により、恵介が裏切り者の確証を得る手段がなくなり、彼は引くに引けない、それでも最もしてはいけない判断を求められてしまう。
裏切り者でないなら、有希を殺せと。

殺せの大合唱で退路を断たれゆく恵介は、どうにか丹力と勢いだけの強引さで切り抜けようと踏ん張った。
その時、後藤家でありながら血を引かず、銀の手の平の上で踊らされてきた村長がひょっこり姿を現し、事も無げに裏切り者は自分だと白状した。
ここまで来れば後藤家の壊滅は確実と踏んだのか、生まれたことに罪はない恵介への愛情はやはり否定できなかったのか、村長は家も婆も怨んでいたと全てをさらけ出した。

恵介も庇われているのが分からないわけがなく、だから標的を血の繋がらない父に変えられてしまうのだった。
情熱に燃えていた父、母がいて幸せだった頃。
泣きじゃくる洋介、悲しみに俯く父と重ねた手。
形振り構っていられなくなり、目には目を歯には歯をで動き出す大悟。
後藤家が死にまくり狂喜乱舞する村人。

果たして次の血飛沫は、いったい誰から流れるのか…
感想
ガンニバル8巻でした。
面白度☆9 イカレ過ぎ度☆10
警察に所属したらしたで多くがクズに養成されるんでしょうけど、後藤家に生まれたらどんな人生を歩んでも後藤家なのは、永遠に解放されないマインドコントロールを受けていそうですね。
閉鎖的な村だからこそ、本来の自分を保てるのは本当に一つまみもいないくらいなんでしょう。
https://www.kuroneko0920.com/archives/75145






































