12話
深月は弟が埋葬された場所で手を合わせ、復讐も埋葬も他人にさせてしまったことを恥じた。
その日、ついに自衛隊のヘリがやって来たのだが、まずは食糧や医薬品を下ろしてきたということは、まだ全員は救助できないというこであり、傷病人の搬送が優先されることになった。
深月は弟はちゃんとした治療を受けさせてあげられることにホッと一息ついたが、自分は同行できないし、下手をすれば命に関わる容体だと牧浦に教えられて血の気が引いた。

傷病人が運ばれて数日、燃料を確保して戻って来るはずの自衛隊はやって来ないまま、少し広くなったスペースで一人ぽつねんとするしかない深月は、スーパーにいた頃の方が武村に頼っていたとはいえ充実感があり、ジリジリ食料が目減りしていくだけのここでの日々の方が不安で仕方なかった。
そしてまた自分の言動を恥じ、武村への依存心が強くなった。

先日、牧浦にはスーパーで弟の一人が殺された際に何があったのかを話していた。
その内容で牧浦も武村が相当に頼れる男だと感じたが、初対面の印象は油断ならない危険な匂いを感じ取ったものの、粛々と子供を埋葬している姿で根は優しいのだと印象が変わっていた。
牧浦は地下の車に積んである食糧を分配したいと深月に頼むと、彼女は武村のものだからと返すも、既に武村に半分の許可はもらっていて、その代わりに色々と自由に出入りできる権利を与えていることを伝えた。

そしてもう半分は自分に権限があると彼が言っていたのを聞かされた深月は、まだ気にしてくれていることが嬉しくなり、快く分配に協力すると、持て余している時間で仕事がしたいと申し出た。
それで割り当てられたのが衛生班での仕事だった。
ここではきっちり平等に仕事をこなしたかったが、それでもオラついた男がイイかっこをしようと手も口も出してきて、深月はすぐ見てるだけの位置に押され、体力に恵まれてない眼鏡男子はやたらオラつかれて居心地が悪そうだ。

そんな初仕事を終えて戻ると、またオラついたチンピラ崩れみたいな奴が騒ぎを起こしていた。
と言っても会社でまとまっている血気盛んなグループが、自分たちで食料を探しに行くから武器になる道具を返せと喧嘩腰に吠えているようだった。
そこで騒ぎを知らされた牧浦が出張り、事の次第を聞くが、どちらが正しいとも間違っているとも言えない考え方の違いがあるだけ。

するとその時、自分も探索に加わると申し出たのが武村だった…
































