13話
どちらの言い分も生きるための選択の中、武村は食糧調達に参加すると声をあげた。
代表者らしいちょび髭の男がありがたく受け入れるも、野次馬の中から参加するような度胸のある者はおらず、牧浦は彼らの行動を止め切ることはなく許可した。
もとろんゾンビに襲われる心配のない武村には独自の考えがあっての参加で、何も疑われることなく大型トラックと装甲をつけたバンがある駐車場に移動し、人員の振り分けをしていざ出発というところで、深月と一緒に作業していた眼鏡男子の小野寺が追いかけてきて、手伝いを申し出た。

ヤル気と覚悟さえあれば断らないちょび髭は小野寺もありがたく受け入れ、武村と一緒に喧嘩っ早い元ヤン風味の工藤と同じ班になった。
道中、工藤は武村たちに役割を説明しながらも、相変わらずの血の気の多さで喧嘩腰な態度だが、武村は気にせず彼らの素性をそれとなく訊き出していく。
ちょび髭が工務店の社長で工藤達は社員らしく、パンデミック直後は事務所に籠って備蓄で生き永らえていたという。

やがて目的地の物流センターに到着した頃には暮れかかる時間帯。
まずは武村を含めた4人で偵察に入ると、生前ならモテただろう女子高生かOLかのゾンビが現れ、お互いに正面からぶつかり合った。
襲われないおかげで今まで無駄に戦わずにきた武村は、肉を抉って刺す感触に鳥肌を立てながらも、淡々とやるべきことをやって働いた。

広大な倉庫の物資を安心安全に運び出すため、作戦通りにゾンビを集めて荷台の隙間から仕留めていく作業をこなし、実際の何倍もの時間を費やした体感の疲れに襲われた。
疲れは達成感に変わり、気の緩みも生じさせ、共通の話題ができたリアリストと元ヤンは割と気の合う関係を作っていく。

あらかたのゾンビを排除したところで夜になり、食糧調達は明日に持ち越しになり、夜間は二人一組で見張りを立てて休むことに。
そこでも武村と一緒になった工藤はそこそこ心を開いたのか、ゾンビとの戦いぶりで感じたことを素直に話し、パンデミックからこれまでのことを話す中で、ちょび髭社長が元自衛官だと知ることができた。
工務店連中が危険な武闘派の可能性も考えていた武村は、まともな危機感と正義感で食糧もちゃんと分けるつもりだと感じられた。
翌日も問題なく物資の搬入を進めていくが、無防備に作業している一人が潜んでいたゾンビに襲われてしまう。
武村は特に驚かずに可哀想な犠牲者が出るかと思うだけだったが、近くにいた小野寺が危険も顧みずに助けに行ってしまい…

































