81話
まさかの息子が大謀反。
一国の王の血筋ともなれば親を殺してでも成し遂げたい野心があるようで、相変わらず無表情でさせるところもまさにサイコパス。
仲間割れに驚いたのは犯人以外の全員、特に陛下を祀り上げてきたエクスターシャの心配と怒りは凄まじいが、当の被害者はむしろ息子の反逆に成長を喜ぶ普通の父親みたいな反応。

しかし殺されるくらいなら息子でもヤラれる前にヤルつもりで、胸を貫かれたのに普通に喋れる辺り、既に軽く人間は超えている様子。
しかもこの謀反、将軍がどちらにも付かない姿勢が保身には最善としたことで、側近の魔法使いジャバも皇太子が天下を取れば陛下を助けた場合、反逆者になるので二の足を踏んだ。
人望で仕えている者は一人もいないようで、この人の命が軽い帝国の中枢にいる面々は保身と野心だけで繋がっていた。
そうこうしているうちにフェラリスの転移魔法が着々と整えられていたので、今の内にエスケープしたかったが、女将軍が許してくれそうもない。

パワーアップしたセリーヌが受けて立つがさすが将軍、実力でその地位に就いただろう腕前は伊達じゃない。
ただ痴女将軍も同じく竜の加護か魔力で増強しているのか、セリーヌが特別な方法でパワーアップしているのを察し、大元のアルクに標的を変えた。
疲弊していて剣技はまだまだ発展途上なアルクでは痴女将軍の突撃を防ぎきれず、ガブっと肩に噛みつかれてしまう。
ジョアンナが割って入って引き剥がしてくれたが血を吸われ、敵に塩を送ることになってしまったかに思われたが、体質に合わなかったのか量のせいか、将軍は今までのガールズとは違う苦しみ悶える反応を示した。

一方、貫かれた陛下は落ち着き払い、返り血を浴びた息子を地獄の業火で焼き尽くしてやろうとしていた。
そのためにエクスターシャに魔力の補充を頼むが、先に皇太子が自分を刺して血を流し、そこから同じ魔力を見せつけた。
重傷のせいか刺された時に奪われたのか、陛下の中にもう魔力は残っていないということで、息子は血も涙もなく、同じく血も涙もなかった親父を天に召させたのだった。

そうして親子喧嘩が終わった後ろで、アルクたちがしれっと転送を始めていた。
皇太子はそれを甘んじて見送りながら、睨みつけてくるアルクにアウレリアが生きていることを教えてやったのだった。































