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276話

アマネが命を賭してまで参戦を決めたのは、決してエリートではない弱虫だった彼女の過去に理由があった。

 

 

 

ガーディアンになるべく訓練に励んでいた子供時代、アマネはミキという同期にやたら粘着的な意地悪をされていた。

 

戦闘訓練では弱いだなんだとこき下ろされ、実力の差で嫌味ったらしくマウントを取られ、剣術の訓練なのに蹴りを入れられたりした。

ヒグマグマ
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2024年48号

 

 

蹴ったりしばいたりする時のミキの表情はまさに高慢ちきで愉悦に満ちており、アマネは生来の小っちゃい声で正論を返すしかできなかった。

 

その小さな声もバカにされ、先生には嘘を吹き込んで優等生を演じるしで、見る目の無い先生に逆に叱責されるのがアマネという理不尽な目にも遭ったものだった。

 

実力がないんだからあっさり死なないようにガーディアンなんて目指すな、辞めさせようと言う意地悪は優しさなんだとミキは嬉しそうに語った。

ヒグマグマ
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2024年48号

 

 

そんなミキが逆に、二年後の卒業試験で死んでしまった。

 

 

アマネとミキの二人一組でカルを狩る試験に出たところ、想定外の群れに遭遇してしまい、二人は命を最優先に控えている先生にギブアップのサインを出した。

 

しかしその先生が真っ先に前後の穴を塞がれ中で、二人は一瞬で絶望に淵に立たされた。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2024年48号

 

 

するとミキは二人で立ち向かう最後の希望もうっちゃり、素早く逃げ出した。

 

アマネは二連続で絶望を感じさせられたが、すぐにミキの行動をおかしさに気づいた。

 

カルはキャーキャー喚く女子の方を優先して襲う下卑た習性があるのは、誰もが知っている周知の知識。

 

なのに喚きながら逃げてあっという間に囲まれるミキを見たアマネは、彼女が自己犠牲で自分を助けようとしてくれていることに気づいた。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2024年48号

 

 

自分の命を後回しにした究極の献身、その姿に数年の間の嫌味ったらしい言葉の数々がそのまま真意だったのか、それとも本当にただの意地悪で今の自己犠牲はパニくっただけなのか、アマネには分からなかった。

 

だから死なば諸共で助けに行きたかったが、状況を冷静に判断した他の先生に担いで連れ戻されるのだった。

 

 

ミキの本心がどうであれ彼女に救われた命、アマネは自分も同じようにいざという時は命を投げ打って誰かを助けようと誓った。

 

しかし再びカルに襲われた時、誓いの決意はどこへやら、犯される仲間たちを見ても動くことができなかったどころか、仲間の痴態に興奮してしまったことで自己嫌悪が膨れ上がった。

 

自分の人間性に嫌気が差しながらもミキのように有効に命を使うためサンドリオ地下の古文書で銀眼を知り、誓いを立てれる自分になった。

パラレルパラダイス
著者名:岡本倫 引用元:ヤングマガジン2024年48号

 

 

そしてミキを思いながら銀眼を解放したアマネが見たところ、国母の弱点はあの場所だった。

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