22話
結局冨山葵には、二人で会いに行くことになった。
冨山は藤森も知っているバンドのボーカルだった。
ライブハウスでの演奏を観ているうちに、裕行は昔のことを思い出して、急に一人で会いに行くからお前は帰ってくれと言い出し、本当に一人で会いに行った。
彼女は久しぶりに会った彼を「ヒロくん」と呼んでから、いややっぱり違うなと言って「岩野くん」と呼び直して、温かく迎えてくれた。
彼は思い出話に花を咲かせることもなく、すぐにカコについての話を切り出した。
しかし彼女も何も知らないと分かると、すぐにその場を後にしようとした。
その背中に「今も書いてるの?」と訊く彼女に、一言「書いてないよ」とだけ返した。
その答えに満足したのかしてないのか、今ヒロくんが幸せならいいんちゃう?と続け、それともう一つ「美沙ちゃんによろしく」と言った。

写真の人物は誰もカコのことを知らなかった。
気落ちして夜道を歩いていると、そのカコがビルの屋上から声をかけてきた。
その頃、裕行が帰ったのを見計らって藤森が冨山に会っていた。
23話
しばらく何も仕掛けてこなかったカコを見て、裕行は非常階段を駆け上がった。
藤森が不倫騒動のことを話すと、冨山はアホやなあと笑い飛ばすが、藤森が彼女だと名乗ったことは全く信じていなかった。
藤森は何でもいいから先生のことを教えて下さいと頼むと、大学4年の頃に付き合い出して一緒に東京に来た時は、彼は私のヒモになりながら小説を書いていたと打ち明けた。
好きな人が好きなことをできるようにしてあげてる自分が好きやったからやけど、でもそれも結局ダメになって別れた。

藤森を駅まで送り届けると、裕行に訊きたいことあったから連絡先教えてくれへん?と頼むが、藤森はあなたは可愛いから嫌です!とにべもなく断った。
裕行はもういい加減にしてくれと詰め寄るが、そもそもどうしてあなたは私を思い出せないんでしたっけ?と訊いてきた。
写真の人と会いながら、自分を客観視し始めることができて、徐々に思い出し始めてるんじゃないですか?と言った。
一つ一つ遡って、一つ一つ思い出す、過去から目を逸らしたらいけませんよと目を見開き、近いうちにまたヒントを出しますねと告げて、姿を消した。
24話
文化祭の準備が本格的に始まり出したが、相変わらず裕行を見る生徒の目は冷たかった。
藤森は田原に勝ち誇った視線を送って優越感に浸っていた。
柴田は不倫相手の皮谷を完全に拒絶していたが、それが彼の自尊心を大いに傷つけていた。
部屋に帰ってカコの愛撫に喘いでいると、皮谷から連絡がきた。
そこには、彼女が生徒の下駄箱に何かを入れている写真が添付されていた。
「散々中出しさせといて急に会わないとか言い出すから、岩野先生の不倫騒動、実は茜ちゃんが仕組んだことだってバラしちゃうよ?」と脅しのメッセージも一緒だった。
それを見たカコは、躊躇なく殺そうと言った。

目が据わったカコを宥めようとするが、それが逆効果になって柴田の首を絞めてきた。
しかしカコは逆に、柴田に落ち着いて考えてよと言った。
誰のおかげで息ができて、誰が命を救ってくれて、唯一あなたを笑ってくれるのは誰なのか?
誰のために生きてるのか思い出してよ。
そこまで言うと、柴田は皮谷を殺すことに同意した。
25話
初めて部屋に皮谷を呼ぶなり、冷や汗をかきながら彼を誘おうとした。
その態度を彼がおかしいと思った直後、身体中に電気が走って自由を失っていた。
あまりに下手な柴田の演技に失笑を漏らしながら、二人で協力して服を脱がしダンボールに詰めて車に積み込んだ。
道中、いたたまれなくなった柴田は疑問に思っていたことを訊いた。
人を殺してまでしたいのは、岩野くんへの復讐なの?と。
するとカコは怒りを露にして、裏拳で柴田の鼻を叩き潰し、そんなものと一緒にしないでと凄んで見せた。
さっきから被害者面してるけど、自分のミスのせいなんだから。もう何も考えないで集中して役をこなしていればいいんだよ。
どこかの山奥に着いた。
しかし、いつの間にか柴田も血塗れになって冷たくなっていた。

カコは柴田を殺すには早かったことを少し後悔しながらも、文化祭の前のハードな前夜祭と思えば、悪くないかなと考えた。
感想
監禁嬢3巻でした。
ついに人死にが出てしまいました。
ゲスの皮谷が死ぬのは構いませんが、重要っぽそうだった柴田も割りとあっさり退場したのはびっくりです。
しかも殺され方が端折られてますからね。4巻で明かされるのを期待します。
カコは復讐じゃないと言ってますが、今のところ女関係のドロドロした感じしか想像できないですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/34796




































