机に手をつかせて後ろから攻めたてる新人は、小夜子の記憶が本当に消えているのか訊いた。
それに主任は
「ああ・・・記憶消去は完璧さ・・・
彼女は知りすぎた・・・
かなり、核心に近いところまでね・・・」
と答えた。
その答えを聞いている間も新人は腰を振り続け、主任の胸を揉みしだきながら発射した。
二人がヤっていた部屋に、記憶消去装置シナプス・リポジショナーが置いてあった。
ここにしかない最新の機械だが、まだ臨床試験を兼ねている試作機でもあった。
この刑務所で実験を重ね、記憶消去の理論は実用段階まで進んだ。
そしてこの機械により、女囚たちの12時以降の記憶が消されていたのだった。
学会を激震させる大発明を前にして、新人は欲に目が眩んでしまった。
「この理論を大学に持ち帰ってもいいですか?だって、凄い金になるでしょ?」
主任は自分に惚れている。
そう思いこんだ新人は、彼氏面をして彼女の情に訴えかけようとした。
しかし、すぐにそれは間違いだったと気付かされる。
彼女は新人の首に注射を打って昏倒させた。
倒れ伏す彼を侮蔑の目で見下ろし、調子に乗るなよと言った。
心配するな。これはただの筋弛緩剤だ。
それより、この機械に興味があるなら、その身体に教えてあげると囁いた。
新人は椅子に固定され、装置が起動された。
機械が彼の頭部を囲い、記憶を思い出す部位に目がけてレーザーが照射され始める。
怯えて脂汗を垂らす新人。
主任は淡々と、ヤったばかりの男を相手に殺人鬼たちと同じ処理を施そうとしていく。
その時、新しい受刑囚が到着したと連絡が入り、主任は手を止めた。
今回入ってきたのは、姉妹二人だった。
千歌の時と同じように丁寧に案内されている二人だったが、妹は怯え切っていた。
それを姉が気丈に慰めている。
相反する姉妹の様子をモニターしていた主任は、新しい被験者が来たことにおぞましい笑みを零した。
千歌が一晩で5人も殺した殺人犯だと知った道隆は、すぐに法曹界に身を置く江口という友人に連絡を取り、千歌の事件の情報を得ようと動き出した。
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