前回
辱断罪15話ネタバレ感想
助手の涼子の機転で、ビルが暗闇に包まれた。
その隙に勝巳は姿を隠すことに成功。
そして恭子はイライラが募っていく。
15話
しばらくすると電気が復旧した。
実は部屋を一歩も出ず、テーブルの天板の下にしがみついていた勝巳は、全員出払ったのを確認して地に足をつけた。
助手の判断に感謝しつつ、テーブルに乗って天井の通気孔に潜り込んだ。
恭子が答えた「人を殺していない」という言葉に偽りはなかった。
もしかしたら、依頼者の息子を生きたまま連れて帰れるかもしれないと淡い期待を抱き、ねずみのように狭い中をじりじり進んでいく。
しばらく進むと、別の部屋に通じる出入り口が見えてきた。
灯りが漏れているので覗いてみると、男の上に巨乳のポニーテールの女が跨り、激しく腰を振っているところだった。
「一体何なんだここは?
・・・売春宿かなんかか?」
疑問の答えが出ないまま、次の部屋の明かりも見えてきた。
そこは調理場のような器材が揃っていて、二人の女がさっきの停電について話していた。
「恭子さんは気にするなって言ってたけど・・・何か怪しかったよね?」
「少しあせったよね」
「連絡がくるまで鍵かけとけってのも・・・ねえ」
「もしかしたら男が逃げ出してたりして」
「それやばいじゃん」
「作業終わっても、しばらくここにいた方がいいかもね」
「・・・そうだね」
「まあ、のんびり進めようよ。解体」
二人の間には大きめの台があり、そこに全裸の男が寝かされていた。
男はブルブル小刻みに震えているだけで、勝巳と同じように満足に動くことができないようだった。
さらに、右足がつけ根の辺りから切断されていた。
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女の一人が
「のんびりやるなら・・・ちょっと休~憩~」
と言いながら、男の頬の皮をナイフで切り取って咀嚼し始めた。
それをもう一人の女は
「あっずるーい!掟破りでしょ!」
と咎めながらも、どこか嬉々として楽しそうな様子だった。
躊躇なく人を殺そうとしているところを見て、恭子の言葉の意味が分かった。
男を人と思っていないから、人を殺していないと言った時、勝巳はそれを嘘だと見抜けなかったのだ。
とにかくそのまま通気孔の中を這い進み、物置部屋になっている場所から取り上げられた服一式を見つけることができた。
全裸ともおさらばし、煙草に火を点けて一服した直後、たくさん置いてある箱の一つから呻き声のようなものが聞こえてきた。
その中にいたのは、両腕を切断され、へそ辺りから下がなくなって臓器がはみ出ている男だった。
片目をくり抜かれ、鼻は削がれて口が耳元まで切り開かれている。
頭の毛は一本もなく、脳も少し見えている。
それでも男は生きていて、勝巳に助けを求めていた。
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16話
依頼主が探していた大学生を見つけた勝巳。
しかし、今はまず自分がここから脱出して安全を確保しなければならないし、その後ですぐ警察を呼ぶつもりだった。
彼がまだ生きている証拠として、タバコに仕込んだカメラで何枚か写真を撮り、助けを求める彼を振り切ってその場を後にした。
また通気孔の中に戻って這い進んでいくが、行き止まりに多く行き当たり、思うように前に進めなくなり出した。
引き返しつつまた別の部屋の上を通る時、そこで何人もの男の死体が積まれているのが見えた。
「はーしんど。これ大変なのよねー
前の所と違って外に運ばなきゃだし」
彼に見られているとも知らず、愚痴を零したのは褐色肌の真紀だった。
三輪車に死体を積み込んでいることから、これからどこかへ運ぶようだ。
すると、全部積み終わったところで「ホースがない」と漏らし、ブツブツ文句を言いながら部屋を出て行った。
勝巳はこのまま通気孔を進んでも外に出るのは難しいと判断し、真紀にちょうどいい所まで運んでもらうことにした。
戻ってきた彼女は床に水をまいて血を洗い流し始めた。
前の場所と比べて掃除一つするのもめんどくさくなったことに不満を漏らしている彼女のすぐ傍で、勝巳は死体の一番下に潜り込んで息を潜めていた。
やがて掃除を終えた彼女に押されて、ガラガラとどこかへ運ばれていく。
しかし、ほんの僅かな揺れでもぼたぼたと落ちてくる死体の血が顔にかかり、微かに嗚咽を漏らしてしまった。
だが、どうにか気付かれなかったようで、彼女は無言で歩き続けていた。
しばらくしてエレベーターに着いたが、上にいくボタンが点灯しないようだった。
そこに恭子がやって来て、今はロックしてあって上へは行けないようにしてあると言った。
それもこれもあなたが連れてきた男のせいで・・・
恭子の説教が長々と始まりそうになり、勝巳は早くこの気持ち悪いところから出たい一心で、恭子が早くどこかに行ってくれることを願った。
その時、恐れていた事態になってしまう。
「それはそうと・・・あなたの積み方、ちょっと酷くない?」
「あれ?私、こんな積み方したかなあ・・・」
「もう少し整えてから運びなさい」
恭子は三輪車に近づき、荷台を覗いて手を伸ばそうとする。
しかし、真紀が声をかけて彼女は振り返った。
「あっ真紀さん。
そういえばさっき、水城ちゃんに会ったんですけど、
探しモノが見つかったとかなんとか」
「本当!?そういうことは先に言ってくれないと」
「スミマセン。それはそうとこの死体は?」
「地下の粉砕機で処理しといて。地下へは行けるようになってるから」
恭子は真紀に指示を出し、死体の整頓のことはすっかり忘れてどこかへ行ってくれた。
間一髪助かったと思い、彼はホッと胸を撫で下ろした。
真紀はエレベーターに乗り込み、地下に降りて粉砕機がある部屋に死体を運び込んだ。
そこでようやく、勝巳に声をかけるのだった。
感想
辱断罪15話と16話でした。
ついに目的の眼鏡くんを発見しましたが、なぜ生きているのか不思議なくらいズタボロにされているので、母親に見せるのは酷でしょう。
女たちが探していたものとは何でしょうか?
そして、なぜ真紀は恭子をごまかしてあの場を切り抜けさせてくれたのか?
その前にまず、勝巳一人と手足が切り取られた死体3体として、どう考えても100kg以上はあるはずなのに、平然と運ぶ真紀って・・・
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