19話
薫は勝手に圭司の部屋に入り、浮気をしているかどうか調べていた。
すると、単なる浮気よりもとんでもないものを発見してしまう。
それは、どれもこれも年端もいかない少女の写真で彼の患者だった。
彼女たちと卑猥な行為をしている、いわばハメ撮り写真も多くあった。
しかもカルテまであり、全員重病で死んでいるようだった。
薫はまた、美月で釣った男にロクなのはいないと吐き捨て、溜息を吐いた。
その頃美月は、康弘が呼んだ友人たちと同じ部屋にいた。
ただ、兄の考えを見透かした上で愛想よくして男たちの機嫌を取り、兄が吹き込んだであろう暗い面を一切見せずに、まるでホステスのように彼らを盛り上げた。

トイレに行くといった友達を案内して部屋を出た康弘。
そこでどうにか美月の悪評を吹き込もうとして、以前、薫に首を絞められた時に失禁した話をした。
しかし、友人は自分が高校生にボコボコにされて漏らした時のことを思い出してイライラし、その時の怒りを康弘に表し出した。
何やら揉めているのを聞きつけた他の友人二人も出てきたので、康弘は今日お前らが来たのは美月を襲うためだろうと改めて言った。
だが3人にもうその気はなかった。
美月とのトークを単純に楽しみ、すっかり好意さえ抱いてしまった女の子を陵辱するなど考えられなかったし、彼女のためにも弱い者だけには強い康弘をどうにかしなければと思い始めていた。
そして3人は、彼が妹にしたのと同じように恥ずかしい写真を撮り、脅しの材料を手に入れた。
全て美月の計算通りだった。

3人が帰っても、彼は暗い風呂場の中で泣いていた。
こんな目に遭ったのは因果応報だと考えられるわけもなく、悲しみと怒りの矛先を美月に向けて、父が帰るなり嘘を織り交ぜて仲間に引き入れた。

夜中になった頃、二人は蝋燭を掲げて美月の部屋に入った。
尋常ならざる様子の二人を見ても彼女は慌てず、何の用かと訊く。
圭司は息子から聞いた話を完全に信じていたのかどうか分からないが、これを美月を手に入れるチャンスだと思い、自分の欲望の中に彼女を閉じ込めることにした。
3人に身体を触らせた。
康弘を誘惑した。
不適切な性欲は罪で、父として黙って見過ごすわけにはいかない。
修道士が欲を感じた時に、指を火で炙って気を紛らわせたのだという圭司。
自分勝手な理屈を押し付けてくる彼に、私の貞操にこだわるのはあなた自身が一番欲に囚われている証拠じゃないの?と彼女は反論するが、彼は黙って足を開かせていく。

娘を守るため、美月が大切だから、もう野蛮な男たちと遊んでいけないし、彼らが危険だって分かってほしいだけだと語る、イカれた性癖を持つ一人の男。
もう言葉は届かないと思った彼女は、羽交い絞めにしてくる康弘の顔面に後頭部を叩きこみ、拘束が解けた隙に圭司の首に手を回して力を込めた。
それでもまだ気持ち悪く欲望を押し付けてくる彼に、もう家族ごっこは終わりだと教えた。
あのストーカーがこの家に来ているのを、彼女は知っていた。
いつの間にか窓が開いていて、カーテンがたなびいていた。
そこから男が入ってきて「美月ちゃんを放せ」と呟いた。
直後、手に持った石を康弘の頭に振り下ろした。
彼の頭はあっさり割れて血が吹き出し、罪に塗れた短い人生があっけなく終わった。
美月はこの家が危険だと分かると、すぐに叔母に窮状を訴えたメールを送っていた。
そして叔母は、自分に似ている可愛い姪を救うため、都合よく使い捨てできるストーカーを手駒にして送り込んだのだった。

騒音と家が燃える熱でさすがに起きてきた薫は、助けを求めて這いずってくる圭司にうるさいと吐き捨てて見捨てた。
1階に下りると、今度はそこにストーカー男がいたが、彼が家を焼いたのだとしてもどうでもよかった。
とにかく美月がいれば、また男を釣れる。
それだけが重要だったが、男は美月の毒になるものを放ってはおかなかった。
男に助け出された美月は消防車のサイレンを聞きながら悠々と叔母の家に帰り、3人の遺体が焼け跡から見つかったというニュースを観ることもなく、優吾の温もりを感じていた。
そして蜜は凜に、その叔母さんのように私が助けてあげると言った。

感想
復讐の未亡人18話と19話でした。
ブスの僻みの究極ですね。
ブスでもなぜかモテる人は少なくないですけどね。それは単に性格の良さや明るさ、イケんじゃね?と男に思わせてるからでしょう。
自分の手は汚さず、うまく相手を利用して事を起こさせる。
クズの兄にはクズの友達しか寄ってこなかったのがラッキーでしたね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/24568



































