辱断罪17話ネタバレ感想
真紀の機転で助けられた勝巳。
なぜ一度は彼をはめた彼女は、どうして助けたのか。
恭子にバレなかったとはいえ、まだ安心できる状況ではなかった。
17話
真紀がとうに気付いていることを知らせると、勝巳は素直に人の残骸から出てきた。
彼女もまさか彼がここまで生き延びて、自分たちを翻弄するとは思っておらず、賛辞ともとれる笑顔を見せた。
彼は取りあえず服を着て、煙草に火をつけ一服し始めた。
それからどうして助けたのか訊こうとしたが、彼女はそれを遮って、まず仕事を終えるのを優先させた。
三輪車を粉砕機の前まで移動させ、ぐるぐると回る鋼鉄の歯車の中に人だった残骸を躊躇いなく落としていく。
人の身体は豆腐のようにぐちゃぐちゃに潰され飲み込まれていき、骨が砕け肉が千切れる音に彼女は「きもちわる」と他人事のように呟いた。
彼は「お前らさ、何してんの?」と、率直に訊いた。
彼女は悪びれもせず、見ての通りなんだけどなあと、顔色一つ変えず涼しい顔で答えた。
男を騙し、捕らえ、まぐわい、殺し、粉々にする。
正気の沙汰とは思えないことをここにいる全員の女が受け入れ、当たり前のように行っている。
その狂った行為の目的は何なんだ?と訊き直すと、強いて言うなら私たちの存在自体が目的だと彼女は答えた。
彼はその答えに納得したかどうかは別にして、もう一つ訊いた。
「お前ら、本当に同じ人間か?」
「私からしたらさ、人の嘘が分かるとか言ってる方がよっぽど人間離れしてると思うけど・・・
私たちはね、昔から続いてる存在なの」
彼女は急に距離を詰め、上目遣いでそう言った。
前に話したように、酷い仕打ちを受けた自分たちの先祖の中に、人の心を捨てて鬼となった女たちがいた。
彼女たちは村を救い、生き残った人間は鬼女たちを恐れ、怒りを静めるため、殺されないために頭を垂れてひれ伏した。
やがて人々は鬼女を神に見立てて信仰の対象とし、鬼女の影響は他の地域にもどんどん広がっていって絶大な影響力を持つようになった。
その力を利用した一部の人間は鬼女たちを囲い続け、その恩恵に預かり続けて力をつけ、それが現代まで受け継がれてきた。
つまり、真紀たちはその鬼女の末裔らしい。
その御伽噺のような言い伝えがどこまで本当で、どうして鬼となったのかが彼女の一番興味をそそられているところだった。
しかし、調べればすぐに分かるようなものではなく、勝巳に協力してもらって真相に辿り着きたいと考えていた。
彼は彼女の目を見つめ、自分に興味を持っているのは嘘ではないことを知った。
ただ、協力に見合うメリットがなければ意味がない。
「お前の興味って、お前の目的とやらに俺を利用したいだけだろ?」
すると彼女は彼の頬に優しく触れながら
「まあ、それも間違いないけどさ。それだけじゃなくてね・・・分かるでしょ?」
そう言いながら顎を舐め、首筋に手を這わせて妖しく微笑んだ。
感想
辱断罪17話でした。
真紀もまた解体村の中では異質な存在ですね。
男を殺すのに疑問を抱いていないのは同じでも、優先すべきは自分の好奇心というところでは、鬼の血を途切れさせる可能性が高そうです。
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