その直後、物音に気づいた誰かがドアを叩いた。
助けが来たのかと思ったが、それは鮫島グループの人間で、それに気づいた漆原は小鳥から誘ってきたことにしてその場を切り抜けてしまい、小鳥に救いは訪れなかった。
翌日からも変わらず役目をこなさなければならず、朝食の準備をしていると、漆原は近づいてくるなり背後に立って尻を掴んで揉みながら、気持ち悪い声で囁いてきた。
食事の時間になって配膳を始めれば、既に漆原が流した嘘を信じた鮫島グループの研究者たちは、ここぞとばかりに責め立ててきて、小鳥の精神をどんどん傷つけた。
それでも気丈に仕事を続けていると、噂を耳にしたらしい榎並が接触してきた。
天宮教授の疑いを晴らす発言をした小鳥を陥れるために誰かが噂を流したらしいと、淀みなく話しかけてくる榎並こそ、流した張本人ではないのかと疑わずにいられない。
いくらなんでもそこまでしないと榎並は否定しつつ、このままだと天宮グループにまで噂が広がり、本当に体を使ってでしかここにいられなくなってしまうと心配もする。
栄太の言った通りに残ってはいけなかったのだと言われれば、それは否定できなかった。
その後でいつものように男子トイレの掃除を始めた。
その中の個室の一つに数冊のエロ本が放置されているのを見てしまい、言葉をなくす。
それを見つけた直後に持ち主が取りに来た。
それは天宮グループの気の良さそうな男で、女子中学生に変なものを見せてしまったことを謝りながらそそくさと回収していった。
しかし、自分に敵対していない男だろうと関係なく、女を常に性的に見ている事実を突きつけられた小鳥は、誰でも漆原になり得るのだと思って壊れそうになった。
叫んだ後でまたちひろが現れ、天罰だと言った。
ちひろを見殺しにした自分を許せない小鳥は、新しい家族が欲しい思いをちひろから責められることで、自分がこんな目に遭うのは仕方ないんだと心を殺して追い詰め、自分自身を守ろうとする負のスパイラルに陥っていた。
しかし裁かれるべき人間こそ苦しんで死ぬべきだとも思い直し、データを盗むことに決めた。
6人のうち、深夜に確実に人がいない部屋にパソコンを置いてある3台から盗むことにした。
2台目を終えて3台目に向かう途中でまたちひろが現れ、失敗した場合のリスクをつらつらと並べ立てて止めようとしてくるが、また晴輝と笑顔で会える時まで、心も体も殺させないと言い返した。
そして3台目からデータを抜き出していた時、背後から声をかけられた。
それは憎むべき漆原だったが、パソコンをいじっていたことではなく、小鳥がここにいること事態に驚きつつも喜んでいる様子だった。
その時、天井にある通気口の蓋が落ちてきた。
一瞬戸惑い、視線を上に向けるとまた何かが落ちてきた。
それはここにいるはずのない感染者で、立ち上がったそいつは耳を劈く咆哮をあげた。
感想
インフェクション83話でした。
小鳥は本当に酷い目に遭いまくってますね。晴輝に死ねと言った時には同情する気も起きなかったんですが、もう暴言を吐いた罪は償ってお釣り画くるくらいでしょう。
でも、取りあえずは漆原から殺されるでしょう。
そして全部、榎並が仕組んだようにしか思えませんが、果たして真相は・・・


































