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紹介作品の目次

4話

2週間かかって全ての墓の前で泣けた千石は、次の公演で主演をやりたいと座長に直訴した。

 

もちろん団員の反感を買うが、既に主演に決まっている西尾が勝負に勝てば役を譲ると提案した。

 

 

勝負内容は、次の公演舞台の内容を抜粋し、街中でゲリラ的に演技をし、より多くの注目を集めた方が勝ちだった。

 

相手役は今日子が務め、最初は西尾から始めた。

 

 

人通りの多い雑踏の中でも、大声を出さずにしっかりと耳に通る声で瞬時に注目を集めた西尾は、演技への熱意で何事にも手を抜かずに稽古してきた全てを出し、そして楽しみながら通行人を観客に変えて演技を終え、多くの拍手を掻っ攫った。

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

対戦相手の演技に素直に圧倒された千石は、それでも自分なりの演技プランを思いついた。

 

演技力で勝てるところは一つもない彼が、より多くの注目を集めなければならない。

 

なのに、わざわざ場所を変更して選んだ舞台は、ほぼ人通りのない住宅街のど真ん中だった。

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

5話

千石は第一声で相当な大声を出し、家の中にいた住人に、とにかく自分たちの存在を気づかせた。

 

役柄的に大声を張り上げるところではなかったが、それは必須の演技だった。

 

 

住民が不審の注目を向け始めると、今度は通常のテンションに戻しつつ、相手役の今日子の後ろに何かいるような視線をチラチラと向ける。

 

死んだ人が生き返り、愛する人に再会したこの場面を利用して、脚本にない死神がそこにいるように演じ、またあの世に連れて行かれるかも知れない不安を演じていたのだった。

 

 

泣きの演技を今日子にアドバイスされた時に言われた、自分の経験をベースにするということ。

 

彼はいつからか死んだように生きてきたことを改めて思い出して泣けた。今回もまた、その死に追い込んだ身近にいた死神のような存在を思い出し、それがそばにいる気持ちで演じていた。

 

 

素人ながらに真に迫った演技は恐ろしいほどの緊張感を生み、ついつい見守っていた座長や常峰、西尾も今日子の後ろに視線を送ってしまっていた

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

そして今日子は相手の勢いに流され、西尾の時には見せなかった顔をした。

 

 

結局出てきたのはすぐ近くの家の子供たち数人だったが、観客になった子供たちはそこに黒いお化けが見えた、凄い芝居だったと拍手を送ったのだった。

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

勝負に勝ったのは西尾だったが、今日子の心の中は千石とする芝居で満たされていることを思い知った西尾は、仕方なく主演を譲った。

 

 

6話

主役の座を奪い取った後日、座長の奢りで炊き出しのカレーを食べていた時、その日は偶然今日子がバイトで不参加だったので、千石は彼女のことを先輩団員たちに訊いてみた。

 

悪い印象は持たれてはいなかったが、突然ブタイゼミに現れて知名度を爆上げさせた謎の美人女優というのがみんなの共通理解だった。

 

 

元子役の常峰が、役者から足を洗う前に最後に観に行った舞台は、如月今日子が凄いらしいと噂を聞いて彼女目当てでどうしても見たくなった公演だった。

 

それがこのブタイゼミの公演で、袖から足が見えただけで、その存在感が如月今日子のものだと分かるほどだったらしい。

 

そして今日子の芝居に惚れ、劇団に入団したのだった。

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

今日子の話を聞いてどうしても会いたくなった彼は、バイト終わりの彼女を近くの公園に呼び出した。

 

 

初めて会った時のように木に登って彼女は待っていた。

 

下りようとする彼女に彼は、美しいからその場にいて下さい、どうしても会いたくなってしまった、最近ずっと目で追ってしまうんですと、歯の浮くような殺し文句をスラスラと並べ立て、彼女に恋の予感を感じさせて顔を赤くさせた。

ブタイゼミ
著者名:みかわ絵子 引用元:ブタイゼミ1巻

 

 

しかし、彼は恋ではないとすぐに否定した。

 

あのセミの演技に魅せられてから、ファンとして見逃したくなくなったと答えた。

 

そして、今まで見せてきた顔は全て演技で、如月今日子を演じているのだとしたら、やはり恋ではなく観客としてカタルシスを味わっているのだと。

 

 

彼女は演技ではなく、如月今日子に成ったのだと答え、それを理解しようとしてくれる彼に昔話を始めた。

 

 

感想

ブタイゼミ1巻でした。
面白度☆7 未知度☆7

もっと血が出るようなサスペンスかと思いましたが、今のところ少し振り切れた青春ものって感じですね。

主人公の首の傾げ方はちょっと気持ち悪いですが、今後、トラウマ系が重要なキーになってきそうで2巻への期待が高まります。

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