12話
旭を助けるために、意地でも守り続けてきた貞操を捧げると言ったよしの。
初めて出会ったときはもちろん、18歳を超えて幾度となく激しい愛撫以上のものはさせず、両親の復活をチラつかせてもその身を捧げなかった彼女が貞操を捧げると言う。
「そうだよ」と微笑んでみせる彼女の身体をようやく手に入れられる時が来たが、しかしベリアルはそれを悪魔らしく素直に喜べなかった。

ただ契約は契約。
彼女の覚悟を受け入れ、容赦なく貞操を奪うことで旭に手は出さない条件を飲んだ。
彼女はシャワーを浴びにいき、ベリアルはベッドに腰掛けて何をするでもなく待った。
これで誰も死なない、旭は死なないと言い聞かせて彼女はベッドに上がり、今夜は先がある悪魔の舌を口腔内に受け入れた。
人を呪い、欲望のままに美しい女の全てを手に入れようとしているこの男は、最低で憎んでも許される相手には違いない。
それでも彼女は、嫌々抱かれるわけではないと感じていた。

全てをさらけ出した全裸の彼女の、まずピンク色の乳首を吸い上げる。
その口を離さないまま下に手を伸ばし、表面を擦り上げるように何度も動かすだけで、じゅくじゅくに彼女は濡れる。喘ぎ声も我慢せず、手の動きに合わせてビクビクと反応していた。
処女でも相当感度のいい可愛さをもっと堪能すべく、太ももに両手を添えて押し広げ、長い舌を穴の奥の方へ侵入させると、手でする以上に淫らによがる。

だがベリアルの頭の中は、こうして身体を開いているのは全て旭を助けるためでしかないという、ドス黒い嫉妬が膨らんでいた。
すっかり上気した彼女を見下ろし、呼吸を荒くしながらベルトを外していく。
その時、さんざん感じて淫らに乱れていた彼女の涙を見た。

声を殺して泣くほど自分に抱かれたくないのだと思ったベリアルは、彼女と同じように愛を欲したのか、無理矢理交わさせた契約で彼女を抱くことをよしとせず、契約書を破った。
しかし、代わりに二度と旭と関わらないと誓わせ、それを貞操の代わりの対価として頂いたのだった。

そのまま姿を消したベリアル。
なぜ心変わりをしたのか分からず、彼女は自分の反応か何かに気に入らない点があったのか考えた。その中に、感極まって泣いたことも入っていた。
とは言え、貞操を守れたのは良かった。
そう思えるはずなのに、なぜか涙が零れてきた。
それは、理由は分からなくてもベリアルに二度目の拒絶をされたからだった。
旭に堂々と宣言したように、親や兄のようになって育ててくれ始めたころから、ベリアルを一人の男として愛していたのだと気づいた。

































