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文吾のスーツを借り、夢の初出勤日を迎えた。

 

小さな姉と一緒にいることにはもう慣れていたが、大勢の子供たちの前で挨拶するなど初めてで、緊張で声が小さくなっているのに気づかず、ほとんどの生徒は心が何を言っているのか聞こえなかった。

 

心と一緒にこの学校で新生活を始める転校生は藤崎正也という男の子で、彼も犠牲者になる一人だった。

免許はあっても教壇に立つのは初めての心は緊張を隠せなかったが、同じく初めての挨拶に不安を抱える藤崎を先生らしく励まし、教室のドアを開けた。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

東京から来た都会人の転校生に興味津々な子供たち。

飛行機で渡辺徹を見たことがあると訊かれるまま答えた藤崎をバカにした生徒を、心はすぐに名前を呼んで注意した。

彼は事前に、クラス全員の名前を覚えていてスラスラと呼んで見せた。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

そこで校長からもらったおみくじクッキーでジョーカーを当てたことを自慢気に話すと、珍しさに食いついてくれたが、それは不吉なものだと教えられるのだった。

 

いつの間にか心の緊張は解けていて、教室は生徒たちの笑い声に包まれていた

 

 

初日は学級会だけで終わり、生徒たちに誘われてウサギ小屋を見に行った。

その途中、鈴と三島千夏の姉の明音が、新聞配達員の長谷川翼に飴をもらっているとこを目撃し、何か嫌な感じを覚えた。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

 

ウサギは二羽いて、片方は妊娠中だった。

 

そこにさつきもやって来て、かつては4羽いたが立て続けに死んでしまったと聞かされる。

 

若い大人同士で話しているのをませた男子がからかってきて、彼女はすぐに顔を赤くした。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

ただ、心がこなければ今まで通りに複式学級だったと言われ、自分がこの時代に及ぼす影響を改めて思い知らされた。

 

その夜は、心の仕事が決まったお祝いで文吾が豪勢なカニラーメンを作ってくれた。

 

 

心はこれから起きる直近の事件で、元町議会議員の田中義男が心筋梗塞で死亡する一件を文吾に伝えた。その際、なぜ日本全国の中でこの村のことをそんなに知っているのか訊かれたが、それは答えられるはずがなかったし、彼も深くは追窮してこなかった。

 

そして翌朝、ウサギが一羽首を切断されて殺されているのが見つかった。

 

小屋の近くには血塗れのスコップが放置されていて、小屋の中の足跡は消されていた。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

 

すぐに駐在所に電話をかけたが、文吾は今出払っている最中だった。

そこでさつきから、以前死んだ2羽も去年の夏休み中に惨たらしく殺されていたのが見つかったと教えられる。

 

心は長谷川への疑惑が募り、鈴と明音に誰でも他人から食べ物なんかをもらってはいけないと注意するが、長谷川をよく知っている子供たちの反発を買う結果になってしまった。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

 

その頃文吾は、心に言われた通りに田中義男の様子を見に行っていた。

詩人でもある田中はもう目が不自由になっていて、週末に来る息子と、鈴を始めとした音臼小の子供たちやいい匂いのする先生の世話になっているようだった。

そうして子供たちに会えるのを一番の楽しみにしていて、病院に行こうとはしなかった。

 

その日も放課後に子供たちは田中の様子を見に行った。

ウサギが殺された話題や、長谷川を疑った心への反発で盛り上がる中、ある一人が田中のすぐそばに寄って、なぜ妊娠していない方を殺したのか他に聞かれないようにそっと話した。

 

赤ちゃんが生まれたらもっと遊べるから、と言う誰かの匂いを田中はしっかりと嗅いでいた。

 

 

その後心も加わり、毎日田中の様子を見に行くようになった。

病院には行きたくないという彼のために医者を呼び、少し打ち解けたところで、その時その時で誰かに代筆してもらった詩を見せてもらった。

 

その中の一枚に、泣いている女の子と黒く塗り潰された女の子らしき気味の悪い絵があった。

著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻

 

 

感想

テセウスの船2巻でした。
面白度☆9 ドキドキ度☆9

若かりし父親と、未来の息子が信じ合うところはグッときました。

テープに日々の事を吹き込んでいる犯人は、まだ子供とも大人ともどちらとも取れる感じですが、最後の絵だけ見れば、子供のように思えます。

いい匂いの先生が誰なのか、ウサギ殺害直後に訪れたのがそれと同一人物なのか、続きが気になって仕方ないですし、さつき先生とのロマンスも期待しちゃいます。
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