が、間一髪で剣は空を切った。
ベリアルを助けたのはサタンだった。

他の天使に襲われていた仲間を助けていて来るのが遅れたらしいサタンは軽く謝るが、命を取り留めたもののベリアルの首は僅かに切られていて人間なら致死量に至りそうなほど血を流していた。
とは言え、サタンがベリアルの異変に気づいて黒猫の使い魔を配置し、様子を窺っていたのだった。
悪魔側から見れば凶行にしか見えないラファエルの行為。
しかし、サタンが出張ろうと引く気はなかった。
サタンはベリアルが逃げずにいいようにやられたことに戸惑うが、今はゆっくり理由を聞く余裕がないほど、死にかけているのは明らかだった。
だから、部下の身を案じる上司として契約書を出すよう促し、ラファエルに手打ちを提案した。

だがラファエルも意地を張り、悪魔との取引に応じるつもりがない姿勢を見せると、今度はサタンが黒い姿を現し、全人類をいつでも人質にできることで脅し、一人の天使として軽率な判断をしないようラファエルに責任の重さを知らしめ、よしのは人外のやり取りを黙って見守ることしかできずにいた。

ラファエルは受け入れ、次はサタンが契約書を出すようベリアルに指示した。
それでも、ベリアルの答えは変わらなかった。
命の灯火が消えようとしているのは本人も分かっていたが、死んででも守りたい、やり遂げたいことがあるベリアルには譲れなかった。
呼ばれたよしのは駆けつけようとするが、ラファエルが引きとめ、人間の女性として人生を謳歌できると説得しても、彼女はベリアルの元に行きたいと願う。
ラファエルはよしのの呪縛を解くため、ついによしのの両親を娘と再会させた。
親子の再会を目撃したベリアルは、安堵か諦めか表情から力を無くした。

両親は魂を狙っているだけの悪魔と手を切れと説得し、旭にした所業を思い出せという。
その時、サタンが口を挟んだ。
それは、ラファエルが自分にとって都合のいいことしか明かしていないからだった。
確かに最初はよしのの魂を狙って近づいたが、お腹の中にいる頃は母親を守り、命の危険から救い上げ、山神が交通事故を起こした時には命懸けで戦い、親戚のレイプや自殺を止めた。
今までの死を回避させてきたのは、全てベリアルだった。

さらに、キスや愛撫程度では対価にはなり得ないのだった。
対価に値するのは肉体か魂のみ。
よしのはベリアルに触れて気配や匂いを染み込ませることで、魂を狙う他の存在から知らず知らずのうちに守られていた。

サタンは再度契約書を出すよう迫るが、どうあっても答えは変わらなかった。
衝撃の真実の連続に言葉を失っているよしのに向けて言っているのか、20年間大事に守ってきたかわいいよしのは、人間の男になど絶対に渡さないと、途切れ途切れに捲し立てる。
その中に、彼女をどう思っているか既に本音が紛れていた。
魂はいらない。
誰にも渡したくない。
魂の美しさではなく、一人の女性として彼女を見ていた彼は、契約書ではない一枚の紙を出現させた。
それは、彼の世界で使用する婚姻届だった。

感想
この愛は、異端17話18話でした。
クリスマス・イヴに本当に甘い夜を過ごせるはずだったのに、後世に語り継げそうな悲恋になってしまうのか、愛の奇跡が起きるのか。
あの黒猫がどこで絡んでくるのかと思っていたら、サタンの使い魔だったとは。
そして最後に、ベリあるは一人の男としての本音を出しました。いよいよ最終回が間近に迫っている気配がしますね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/46536



































