パーティーを組むようになり、初めて仲間が殺されるかも知れない危機に直面した。
自分一人だけの問題で済んでいた今までとは違い、また大切な何かが壊される恐怖の乗り越え方は、先生に教わっていなかった。

改めて今までに無い恐怖を実感していると、いつの間にかそこにいた剣の乙女に声をかけられた。
剣の乙女は自分と女神官と褥を共にした感想を聞き、彼は特に感情を含まずに悪くなかったとだけ答えた。

ただ何の意味も無く二人が一緒に寝たのではないと知っていた。
処女が同衾することにより得られる奇跡、蘇生‐リザレクション‐のためだと分かっていた。
蘇生は古くから伝わる勇者の命を助ける方法で、事実であり効力も確かなことから受け継がれて来たものだった。
とはいえ、あくまで瀕死の者を回復させるのが限界で死者はどうしたって蘇らない。

ましてや誰にで行われるものではなく、相応の寄付金も必要とされる。
それは、処女に欲情して恩を仇で返す事態を防ぐ意味もあった。
銀等級であり、信頼されている彼だからこそ女神官が一肌脱いだ。
彼が何とも言えないでいると剣の乙女は笑みを零し、麗しき顔を隠し続けていた眼帯を外した。
そして、かつてゴブリンに襲われ、恥辱の限りを受けた過去があり、もう蘇生を成功させられない身体であることを明かした。

そんな女性を、彼も何人も見て来た。
剣の乙女はその時のことを思い出し、まるで今の自分が当時の自分を眺めているような感覚で、犯されながら悲鳴を上げ続けたんだと語る。

眼からほとんど光も失われたが、彼の姿は朧気ながらに見えていた。
不確かな影のようにしか見えないが、その存在感自体もまさに掴めない影のようで、いつでもフッと消え失せてしまいそうな不安定さがあった。
彼はその話に乗らず、武具を修繕したいと言い出した。
しかし剣の乙女はそれを躱し、彼にしな垂れかかってか弱い一人の女の面を見せ始めた。

剣の乙女と呼ばれても、一人の女なのは変わらず、邪悪なものを前にすれば怖く、身体を丸めて眠る子供のように毎晩恐怖と戦っているのだという。
ほとんど光の届かない眼は、かすかに潤んでいた。
剣の乙女でも、自分を助けてくれるだろうものはいくらいてもい過ぎることは無い。
その一人に彼がなってくれたらと思い、悩ましげな顔を寄せていく。




































