明かりを置いているとは言え、ここは薄暗い室内。
瓦礫もそこかしこに散らばっており、ゴブリンが姿を隠せるようになっているが、それは彼も同じことだった。
無防備に飛び込んできた奴を下から顎を串刺しにし、逆にそれを見た奴が瓦礫の下を狙ってくるのを見透かし、少し場所を変えて死角からハンマーを振り抜き顔面を粉砕。

ゴブリンは彼の姿を完全に視認したが彼は冷静さを保ち、槍を投げてくれば死体を盾にして躱し、近接戦を挑んでくれば受け流し、相手の武器も奪って利用し、無駄なく仕留めていった。
切り裂いた腕も利用して目を眩ませ、時には身を低くして一気に飛び込み、足を切って身動きできないようにした。

そして、途中で折れている柱に駆け上がって見失って戸惑っているゴブリンを上から突き刺し、そいつの兜も奪って武器に変えた。
離れたところから見守っていたエルフたちでさえ、彼の動きを追うのがやっとで、目の前で動き回られているゴブリンが翻弄されるのも、仕方ないと思っていた。

しかし、彼だけに任せるわけにもいかず、エルフは気を取り直して矢を番え、また一射で三匹仕留め、彼は残りの一匹に専念して顔面に拾った武器を叩き込んだ。
そして女神官は使いどころがあると指示されたのを守り、竜牙兵の後ろに控えて彼の戦いを見守っていた。

彼は一切怯むことなく立ち向かい、次々とゴブリンを仕留め続けた。
その様は鬼神の如く、時には一撃で急所を切り裂いたかと思えば、髪を掴んで瓦礫に叩きつけるという、怒り任せの喧嘩をしているようにも見えた。

ゴブリンは味方を巻き込んでもなりふり構わず切りかかるが、彼には一切届かず削られる一方だった。
数の利を活かせず、一匹また一匹と殺されていき、ついに恐怖を感じた気弱な一匹は、彼が黒い閃光のように見えた。

堪らず出入り口に逃げ戻ったが、何か大きなものにぶつかり尻餅をついた。
見上げてすぐ、何にぶつかったのか分かって、あまりに気持ち悪い微笑みを零した。

直後、敵前逃亡したそいつは無残にも踏み潰されてしまうのだった。
再び現れたゴブリンチャンピオン。
お互いにリベンジを果たすチャンスが訪れたのだった。



































