二人して出かけていた蒸し暑い昼日中、近道かと思って初めての道を進んでみると、迷ってしまうし、誰にも出会わないし道も聞けなかった。
それでも水の音に誘われて行くと、川の先に見慣れた橋が見えた。
千夜は先を急ぐよりもすぐに靴を脱いで川の足を浸し、涼み始めた。
呼ばれた夕は慌てて河原を走ったせいでつまづき、千夜を川の中に押し倒してしまった。

それでも、千夜はずぶ濡れになったことより夕の心配をする。
夕は自分の真下に見えた千夜にドキドキして大丈夫だと返すが、しっかり手を擦りむいているのを見られていて、今度は猫のようにペロペロ舐められて手当てされてしまった。
まるで愛撫のような手当てを終えれば、お互い子供になってはしゃいだ。
太陽の方を向いて咲く向日葵がたくさんあり、千夜は向日葵のようにずっと自分の方を向いていて欲しいと夕に願う。

夕は向日葵の中を嬉しそうに駆ける千夜を追いかけるが、陽炎のように揺らいでいつまでも追いつけなかった。
それは、熱中症かになにかで意識を失われていっているからだった。
親戚に疎まれた嫌な記憶を夢に見た後で、目が覚めた。
千夜の匂いと柔肌の温かさを感じたが、身体が重くてほとんど体調が回復していない。
すると千夜は口移しで水を飲ませた。

力を注がれたのか夕は甘いキスですぐ回復するが、強がって体調が悪いと訴えないことに千夜はついに声を荒げて咎めた。
それは夕に辛い思いをさせたくないが故の姉心と、言葉にしてくれないと気づけない自分への歯痒さだった。

大きな声を出されて夕は驚いたが、切ない表情をさせた申し訳なさ以上に、嬉しかった。
夕は素直に病院で診察を受け、軽い熱中症だろうと言われた。
そして会計の順番を待つ間、院内図書館で出会ったのが黒いセーラー服を着たどこか懐かしい感じがする美少女で、彼女もそう感じているようだった。

陽と名乗ったこの少女とは帰り道ですぐ再会することになるのだが、怪異、怒り心頭の千夜が一堂に会した一触即発の危険な状況だった。
感想
姉なるもの3巻でした。
面白度☆7 夏度☆9
新キャラの陽が出て来たことで、やっと新展開が始まりそうです。
相変わらずナチュラルにエロい千夜の良さは十分に堪能できる内容になっていると思いますし、夕のアへ顔も一応あったので、ノルマ達成されてます。




































