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耳が奪われた美女殺しの猟奇事件に、椿は一気に興奮し始めた。

 

謎々とは理屈の積み重なりで、その理屈が好きなのだという。

 

鳳仙をそれをバカにするが、飯屋に来てからの酒の飲み方、どの料理に箸を伸ばすのかだけで、女を怖がっていること、臆病で負けず嫌いだと、次々に言い当てられてしまう。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

そう言う椿はここ3年の瓦版を袂から取り出し、11枚目、27枚目、32枚目を見ろという。

 

その3枚の瓦版は、悦とその前に起きた事件のものだった。

 

一人目はお美代16歳、二人目はお幸18歳、そして夕べの悦の3人目。

 

全員美女でめった刺しにされ、左耳を奪われていた

 

もう一件、似たような事件があることを鳳仙が口に出そうとしたその時、爪を噛んでいる椿が、黙っていれば誰もが振り向くような美女だと思い、心乱された。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

鳳仙が気になったのは、耳を切り取られながらも生きている髪結いの野菊という19歳の女の事件だった。

 

椿は野菊が難産だったか訊き、確かに瓦版によれば野菊の母は出産時に亡くなり、父はすぐに出奔して、生まれながらに野菊は天涯孤独になったようだった。

 

すると椿は身勝手な父親に怒り狂い、怒声をあげて騒いだ。

 

男嫌いと女が苦手で正反対だが、共通点を見つけた気がした鳳仙は思わず笑みを零した。

 

 

それはそれとして、被害者の女たちは皆、瑠璃丸と関係を持っていたことも共通点の一つだった。

 

しかし椿は、瑠璃丸のところにはイカ臭いふんどしがあるだけで、耳の在り処も奪った理屈も下手人も分かったと答えた。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

分かる道理などないと思い込んでいる鳳仙は信じられず、当て屋だからと自信満々に言い切る椿が、やはり胡散臭くて堪らなかった。

 

すると椿は仕方なく、自分の推理の信用度を上げるため、鳳仙を吉原のに会わせに連れ出した。

 

 

 

女の匂いが立ち込め、男が群がる幕府公認最大の歓楽街。

 

吉原にいる女は、親や男に売られて年季奉公しているのが当たり前だったが、篝だけは自ら進んで女郎に落ちた異色の女だった。

 

親友の椿に吉原に入れられた篝は今夜も、男の欲望を受け止めよがり狂っていた

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

しかし、篝は椿が来てると知るや抱かれた直後の裸のままで部屋に飛び込み、椿も篝にしか見せないような無邪気な笑顔を見せた。

 

吉原でトップクラスの人気がある篝が太夫になれない理由は、美しさの代わりに頭の中がずっと子供のままだったからだ。

 

そんな篝なら、鳳仙の苦手意識もそれほど出なかった。

とは言え、身体は悦たちに比べても美しい。

 

 

椿が篝を訪ねた理由は親友としてもあったが、彼女に不思議な力があったからだ。

 

右目を閉じた篝は神の糸を手繰るが如く、真実を見透かす力があった。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

大人気の女郎と巫女の二つの顔を持つ篝の不思議を目にした鳳仙はまた椿に連れられ、吉原を後にした。

 

 

ああいう篝だから、浮世の吉原でしか生きられないと判断した椿は、あえて吉原での人生を与えたという。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿1巻

 

 

人によっては地獄で救いの場所でもある吉原の次は、悦の耳を持っている下手人のところに向かった

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