21話
パピコが勝利した。
破壊神の体内に入ってからの巨大化作戦は見事に成功し、破壊神の体をぶち破って飛び出し、辺り一帯が一瞬で血溜りになっていった。
彼のところまで血が届いていたが、付き合いたての二人は見下ろし見上げて見詰め合った。
ちほは戦って息を荒げ、彼は泣き過ぎで息を荒げる。
彼女から彼の名前を呼ぶと彼は返事しながらまた号泣し始めた。

彼の返事を聞いたちほは装置をいじって元のサイズに戻っていく。
その間も彼は衰え知らずの大号泣を続け、その場にずっと突っ立っていた。
彼女が完全に元のサイズに戻って走りよって来ても彼は幼さ故かその場に留まって泣きじゃくり、待ちの体勢を取り続けた。
そして二人は生きて感動の再会を果たしたのだった。
破壊神も復活する気配はなく、二人は血溜りの中で抱き合った。

彼はずっと涙と鼻水と涎でぐっちゃぐちゃ。
彼女は殴られた出血と破壊神の体液で赤く滴らせていた。

彼はやっと彼氏らしく上着を貸してあげ、手を繋いで歩き出す。
彼は彼女が死ぬと思って怖かったと話し、彼女はここまで夢中でやって来て覚えてないけど、彼が死ぬと思うと家を飛び出していたと話した。
その時、無事だった零の両親がやって来た。
二人は息子の隣に知らない女がいるので驚くが、ちほも同じくいきなり彼氏の両親と出くわして戸惑いを隠せない。
その時、彼パパが何かにハッと気づいた。
それは、ちほが着ているのが息子の上着だということだった。
指摘されると彼女も素直に肯定するしかなく、パパは顔を近くで見て、当然、さっきまで戦っていた巨大全裸女と顔がそっくりなのにも気づいた。

全く意味が分からず、パパは混乱しそうになり、彼ママも顔がそっくりなのに気づく。
ちほが何も言えないでいると、適当にごまかしてきた零はついにここで、ちほが彼女で自分を助けに来てくれたんだと白状した。
そんなことを急に言われても理解が追いつかない両親は混乱するばかりで、取りあえずは付き合っていることだけは現実的なので意味が分かった。
そこで彼は、彼女がでっかくなれるとも白状した。
彼が暴露するので従うことにしたちほは上着を脱いで装置を操作し、彼氏の両親の前で巨大化するところを見せたのだった。

4人は一先ず、一緒に行動することになった。
すっかり人気のなくなった街中を歩いて家がある方向に進んでいくと、運良くこんな状況でも走っているタクシーを捕まえることができた。
彼女は上着一枚しか着ていないことで乗るのを躊躇するが、彼は大丈夫だとゴリ押しして乗せた。
彼女は助手席に、親子は後ろに。
特に巨大化する彼女に根堀歯堀聞きはしないでいたが、ママは彼女の後頭部に鋭い視線を送っていた。

東京に現れた破壊神はちほの機転で倒せたが、ニューヨークのマシュマロ破壊神はまだしぶとくアメリカンギガントと戦い続けていた。
アメリカで装置をつけた人間は既に巨大化の力を使いこなせているのか、ぴったりフィットした衣装とランドセル、手からビームを放っていた。
いや、まだブリーフおじさんのように譲渡していないだけかも知れない。
そんな海外で同じような戦いが起こっているなど知らないママは、息子の彼女がどんな女か見極めようとし始めた。
息子の命の恩人で日本の救世主だとかは関係なく、きつい態度でまず名前とピンク色の髪の理由を質問。
ちほがおどおどしながら本名を名乗ると、ママは髪の色の答えを待たずに次の質問に移ったのだった。



































