もちろん逃走防止用に首輪に繋がれ、手は鎖で、自由になったのは足だけだった。
恋子は犬のお散歩気分でルンルン闊歩しながら、素直にコミュニティについての質問に答えていく。
朝はそれぞれの労働に勤しみ、全体で50~60人くらいで組織されている。
今も人口増加中で集落は他にもあり、年齢幅で言えば、初潮を迎えたばかりの少女から40代までいるようだが、一番多いのは10代後半から20代前半の孕みざかりのヤリざかりだと言いながら、ヤリたそうにピースをして見せた。

仕事して飯食って子作りしての原始的な生活を送っているイザナミだが、それなりの人数がいる以上、班制度を設けて専門的な仕事に従事しているらしい。
狩猟・採集班は昨夜善を一番に襲ったガサツな黒髪ロングの有手美鈴がリーダー。
他にも建築や漁業などに分かれて、黒ギャル系やインテリ眼鏡がリーダーになって統率しているらしく、一番の大所帯が農耕班だという。
そう説明してくれた時、イラついた声で勝手に善を散歩させていることを誰かが咎めてきた。
そのイラつきやすい出芽こそ、農耕班を束ねているリーダーだった。
また逃げ出しかねないことを出芽は注意してくるが、医療班に所属している恋子は、聖奴隷だからこそしっかり精子を製造してもらうためにもストレス解消が必要だと意見し返した。
毎度医療班が同じことを繰り返すので溜息が出てしょうがなかった出芽は話を変え、絵理沙が祭りまでに戻るのかどうか訊ねた。
恋子はそれも知らないと言い放った。
取りあえず出芽は善の頬をがしっと掴み、もう逃げる気など起きないように改めて脅しをかけた。
だから彼は従順さをアピールするため、鬱陶しい視線を合わせずにはいと答えた。
するといきなり脈絡のないベロチューをぶちかまされ、舌と舌を唾液で繋げられてしまうのだった。

キスされただけでも未だにドキドキしてしまう善は、ご褒美だと言われればまた「はい」と素直に答え、ムチムチの元上司を見送った。
感情の起伏が激しいおばさんの横取りキスにぷんすか怒っていた恋子。
その時、怒りすぎは美容に良くないと言って注意してくる優雅な声が聞こえてきた。
恋子を優しく窘めるその声の持ち主こそ、金に物を言わされて結婚した病院長婦人の安房ころん。
ペットみたいなキラキラネームだったが、娘への愛に溢れていた。
まだまだ若々しいころんに悪感情はなかった善は、久しぶりねと言われれば悪い気はしない。
無理やり焼き付けられた額の焼き印に同情されて雨に濡れた犬みたいな表情を出すと、ころんもまた悲しげに眉尻を下げる。
だって、今晩は自分たちの親子丼を堪能してもらわなければならないのだから、今からでもテンションを上げて欲しかったのだ。

善は好きモノ親子のいやらしい微笑みに、あっさり鼓動が速くなっていった。


































