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2話

よしのたちは京都に地に立っていた。

 

京都駅から出てそびえ建つ京都タワーにはしゃいだ声をあげるよしのは、家族旅行以来の京都だったが、友達の真弓にどこに行ったのか訊かれると、寺社仏閣の固有名詞は出てこなかった。

 

ただ、我がままを聞いてくれた両親が京都旅行なのに海に連れて行ってくれたことはしっかり覚えていた。

 

 

同じ制服を着て若々しくはしゃぐ彼女たちから少し離れたところで、黒髪を纏めた妖艶な美女がシャッターをしきりに切って修学旅行生を撮りまくっている。

 

モデルか何かをしていそうな彼女は、ベリアルが完璧に変装した姿だった。

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

よしのに気づかれぬよう、伏見稲荷にも後をつけたベリアル。

 

千本鳥居を見上げて荘厳な景色に見惚れる彼女を追いかけ、シャッターを切りまくる姿は傍から見れば、単なる観光客に見えない異質な雰囲気を放っていた。

 

そして、この歴史ある神社に居ついている狐たちもまた、彼女の美しい魂に目をつけて虎視眈々と狙おうとしたが、ベリアルの敵意を丸出しにした視線を無視するわけにはいかず、あっさり過ぎるほど大人しく身を引いた。

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

自覚はなくても、彼女にとって神域は危険な場所

 

本人が全く分かっていないのに苛立ちながらも、ベリアルは楽しく観光し続ける姿をカメラで収め続けた。

 

 

そして外せない清水寺に行くと、真弓が異常なほどテンションを上げて聖地巡礼だと騒ぎ始めた。

 

神と人間の恋愛を描いた漫画の舞台らしく、それを愛読している真弓は興奮を抑えられなくなったようだ。

 

半ば強引に漫画を貸されたよしのは1巻読んで断念しており、また読むよう強く推されても、やはりその気にはなれなかった。

 

そもそも、人と人外の恋愛が最終的にうまくいくわけがないと現実的な考えから離れられず、人は人と結ばれるべきだと思っていることを伝えた。

 

 

ベリアルはその時ばかりはカメラも忘れて聞き耳を立てたが、すぐ近くにある恋愛にご利益がある神社に向かった彼女たちを見ると、あまりの現金さに心配が消えかけた。

 

それに、その地主神社は嫌な気配が感じられず、例の神と同一視される神がいるというのが本当かどうか書物で確かめようとしても、日本の神の考え方がいまいち理解できない。

 

 

その時、真弓が漫画の神のモデルになっているオオクニヌシの像を発見し、キャラとの違いに一気にテンションを下げた。

 

直後、よしのが神の像の横に設置されているうさぎの像を見て「うさぎ」と呟いた瞬間、ベリアルは何かの気配を感じ取った。

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

その正体は分からないが、とにかく油断だけはするまいと気を引き締めた。

 

 

 

その後、彼女たちは京都の名所を巡り、若さを発揮した。

 

 

そしてなかなか豪華な旅館に泊まっていた彼女たちは温泉露天風呂に浸かり、今日一日の疲れを癒そうとしていた。

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

ここでもまだ聖地巡礼の昼間のテンションを引きずっている真弓は、三日目の奈良観光こそ一番の目的地があるのだと、興味のない班員たちに言いふらし続ける。

 

そこでまた以前の家族旅行について振られたよしのは、やはり奈良もどこへ行ったか覚えていないと答えることしかできなかった。

 

 

その辺りで一人がそろそろ出ようと言い出すと、真弓たちも同調して湯から上がり始めた。

 

しかし、感情が高ぶっていたよしのは一人残り、班員たちが脱衣場に消えたのを見計らい、我慢していた涙をポロポロ零し始めた

 

そのタイミングで、岩場の陰で気配を殺していたベリアルは宿泊客を装って話しかけた。

 

 

貸し切りのはずの時間帯に他の女性がいることに驚きつつも、彼女は訊かれるまま巡った場所をつらつらと話していった。

 

すると、なぜか妙に居心地よく話せている自分に気づき、さっきまでの辛い気分が和らいでいった。

 

そこでベリアルも話題を広げ、女性同士だと思い込んでいる彼女に近づき、肌に触れた

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

上気した透けるように白い肌に指を這わせる。

 

胸が膨れ始めた辺りに這わせた時、さも今気づいたように肩が凝っていると指摘し、自分はマッサージ師だと名乗って遠慮なく触れるよう油断を誘う。

 

脇のリンパだなどと尤もらしいことを言いながら、スベスベの脇を揉んでいるようで張り詰めた乳房をわし掴み、それでいて乳首には触れずに焦れったさを募らせていく

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

間違いなく乳房を揉まれていても、マッサージ師だと思い込んでいる彼女はいやらしい声が出ないよう努めるのに集中し、その手つきのいやらしさには気づかない。

 

 

彼女の火照って欲情していく変化に興奮を抑えきれないベリアル。

 

月明かりに照らされた淫靡な姿があまりに美しく、思わず変装を解いて本来の手で熱い身体に指を沈ませると、彼女は一際大きく喘いだ

 

それで限界を突破したベリアルは、臀部に硬いモノを押し付けながら抱え込み、首筋に舌を伸ばした

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

 

さすがに彼女は振り向くが、そこにいたのは美しいマッサージ師の女性だった。

 

急にごつくなった手、首筋に触った何か、硬い棒状のモノ。

 

女同士も悪くないかもと考えるほど彼女を蕩かせたベリアルは先に湯から上がり、そっと彼女の無事を祈った。

著者名:森山絵凪 引用元:この愛は、異端ベリアル文書2話

 

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