全てを伝え終えた太一。
高崎は親友が期待したようにコリオへの殺意を滾らせて頭に血が上るが、市原は冷静にまだ近くにいるかも知れないコリオたちに見つかるかも知れないと諭す。
それで太一は市原がいることに気づき、そっと耳打ちした。
もう自分は死ぬことを悟り、高崎は市原が好きなんだと伝え、親友の恋を後押しした。

こんな状況でも市原はトキメイてしまうが、直後、太一は動かなくなり、水を飲むこともできず、死を悟り、親友に逃げろと促した。
そして最期に母親の幻覚を見て感謝をし、事切れてしまうのだった。
目の前で親友に死なれた高崎は悲しみに絶叫するが程なく落ち着きを取り戻し、悲しみを怒りに変えて太一を抱き上げ、復讐を誓った。

コリオはそんな一部始終を木陰から覗き見ていた。
イヤッコの集落で目から生気を失っていない外国人のアレックスと知り合った若林は、チャンスとはどういうことなのか話を訊こうとしていた。
アレックスは簡単に、島には支配階級と支配される者に別れ、支配する者のトップがインゴで、外から来た者は捕らえられイヤッコという奴隷に落とされると説明した。
強き者が支配者になれるシンプルな構造の中、選抜がチャンスになり得るという。
選抜とは奴隷の中から実力がある者を兵士に昇格させるセレクションだった。

直後、二人がひそひそ話しているのをその兵士階級のシマビトが見咎め、問答無用で制裁を加えようとしてきた。
これは単なるシマビトの憂さ晴らしのようなもので選抜でもなんでもなかったが、黙っていたら殺されるだけ。
そう説明したアレックスは襲いかかってきたシマビトを殴り飛ばし、若林にも促した。

若林は状況を受け入れ、生徒を犯され殺された怒りを乗せて一本背負いで返り討ちにし、そんな奴らの仲間になる気はないと言い返した。
アレックスが選抜について知っているのは、以前、イヤッコから兵士が選抜される公開戦闘を見ていたからで、その時に参加した仲間が命を落としたのを目の当たりにしていた。
そして選抜を利用しても目的は仲間になることじゃなく、あくまでインゴの懐に飛び込んで脱出の機会を引き寄せることだった。
そう説明したところで、インゴの王、ガモウが二人の前に現れた。

無線が通じなくなったことで心配が募った啓太は嫌な予感が消えず、葵を救出するためにも戦力を減らすわけにはいかないと考え、探しに行くと言い出した。
熱い中にもちゃんと冷静さがあることを知ったアキラは背中を叩き、無意識に男子高校生をドキッとさせた。

だが小早川や田村が心配して救助を待てばいいと言うので、啓太はきっぱり救助がくる可能性はほぼ0だと残酷な事実を突きつけ、自分たちで行動を起こさなければ脱出できないと伝えた。
その時、船から出てきた赤城が自分も連れていけと言い出した。
足に重傷を負わされて復讐に燃えている赤城の剣幕に気圧された啓太が受け入れると、アキラは改めて船を出すタイムリミットを言い渡した。
次の嵐になれば必ず船を出すと。
啓太も改めて理解していると答えると、アキラは自分も調査に加わると申し出、あくまで戦力として失うわけにはいかないという意味で、思わせぶりな態度を見せた。




































