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8話

これはエルフの休日の物語である。

 

窓から差し込む朝の光を耳で感じ取ったエルフはピクピクと反応し、大儀そうに身体を起こして伸びをした。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号

 

 

全裸エルフの寝起きは思いのほか悪くなく、誰も起こしに来ないから休日だったかと思い、大きな欠伸を一つ。

 

今頃彼がゴブリン退治をしているのはまあいいとして、自分に話を持ってこず、男3人で塔を攻略したと聞いた時はがっかりした。

 

ただそれも過ぎたこと。

 

森とは違い昼まで寝ていられるだけでも森を飛び出した甲斐があると思いながら、弓の弦の張りを確かめ、そろそろ替え時だと判断した。

 

するとエルフはベッドの下をごそごそ漁って小さな蜘蛛を指先に乗せ、お尻から糸を出させてくるくる巻き取り始めた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号

 

 

十分な量を確保するとくるっとよじり、強靭な弦にした。

 

弓の手入れが終わったところで服を着始め、髪を一つ結びにして準備万端。

 

いつもの動きやすくも可愛さもある軽装で完全に寝起きから脱したのはいいが、部屋は洗濯物や何やらで散らかりまくっていた

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号

 

 

ゆっくり過ごすことを諦めたエルフは溜まった洗濯物を桶にぶち込んで足で踏み踏み、人力で洗濯し始めた。

 

森と違ってゆっくり眠れるのはいいが、人ならざる水の精や妖精に頼んで家事をこなせない不便さを痛感した。

 

ぽかぽか天気のいい日に身体を動かしても逆にまた眠気がぶり返して欠伸が出るが、やはり人社会のおもしろさに興味は尽きず、手早く洗濯を終わらせて気の向くまま出かけようと思ったその時、受付嬢に声をかけられた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号

 

 

受付嬢は少し大胆で爽やかな服装をしていて、同じく休日でブラついているのだそうな。

 

流行をどんどん作り出す人間にも感心したエルフは、ふと受付嬢が休日なのにギルドにいるのを疑問に思って投げかけると、もじもじ怪しい回答をするので訝しむ。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2019年3号

 

 

逆に受付嬢はエルフの洗濯物を眺め、下着が干してないのを指摘すると、なんと一枚も持っていないという。

 

前に皆で買いに行った物は埋まったらしいと笑顔で白状するので受付嬢は呆れ、強引にランジェリーショッピングへ連れ出した。