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10話

千秋に励まされたマリコが勇気を出し、すっぽかした編集部に電話をかけていたのと同時刻、事務所なのか星の住家なのか、アパートの一室ではなぜか彼が煎餅を焼き始めていた。

 

小麦粉を手際よく溶かし、網焼きではなくイカ焼きを作りそうな鉄板を重ね合わせる機器で圧縮加熱し、ハンドルをくるくると回してドヤ顔を一つ。

 

コバーンが使えないのはまだしも、ポっさんが使えないのは当たり前なのに、扱えるのは俺だけだと自慢する星はササっと作った大きな煎餅を恋した女装男に振舞った。

 

特に何も思わず口にした千秋の感想は、普通においしいだった。

 

星はさり気なく千秋にも作らせる流れに持っていき、小麦粉の溶き方という素人には判断できそうもないこだわりを見せつつ、背後から手取りナニ取りで気持ち悪く身体を密着させた

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

千秋は悟った。

 

今日の星がやたらキモいのは、性的な視線がプラスされたからだと。

 

自分が男だからなのか、女の子たちも同じように興味のない男から向けられる性的視線に反吐を催しているのかは分からないが、とにかく気持ち悪い。

 

しかし、やはり信頼でも性的でもチームに入り込むのに好意を寄せられるのは好都合だと判断し、嫌悪感を我慢してぶりっ子ぶってみた。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

これも全てタワマンの為。

星の鼻の下があからさまに伸びようと、可愛くて愛想のいい後輩を演じる覚悟を決めた。

 

 

犬以外の全員分の煎餅が焼き上がると、各々ポリポリ齧りながら動画サイトを視聴したり本を読んだり、何もする気配がない。

 

時刻はもう夕焼け迫る17時前。

 

いい加減焦れた千秋が今日は何もすることがないのか訊ねると、星はそろそろだなと言いながら立ち上がりラフな普段着に着替えた。

 

 

そう、これから向かうのは近所の居酒屋で催されるのは千秋の歓迎会だった。

 

誰が計画したのか知らないが、星の下心が透けて見えるイベントだった。

 

 

さっさと帰って弟たちとちゃぶ台を囲みたかった千秋はストレスだけ顔に出さないよう努めていると、更に参加者がやって来た。

それは、普段から象を被っているのかもうそういう生き物なのか、象さんこと旭山だった。

 

末端チームの新人歓迎会に顔を出した象さんの地位がどれ程のものか分からないが、星はめっちゃ仲がいいから呼べたのだとウザい自慢を繰り出してくる。

 

 

典型的な昔はヤンチャだったことを誇らしく語るタイプの勘違い野郎だったが、怪人と距離を縮められるいい機会だと思った千秋は我慢した。

 

そして象さんの後に続いて入って来たのが、どこか爆乳スーツヒーローとシルエットが似ているジェリー・E・フィッシュだった。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

星が呼んだわけではなく、象さんに強引にくっついてきたらしいジェリー。

 

果たして、千秋に何か怪しさを感じ取っているのか。

 

 

千秋だけでなく場の緊張感が増す中、星が上司二人の飲み物を聞いたその時、暗黙の了解を知らないのか空気を読めないのか読まないのか、コバーンが一足早くビールを流し込み、星がすかさずしばいた

 

いきなりの暴力にコバーンが睨みつけた直後立ち上がり、拳を握りしめ、動いた。

 

しばいておいて星は情けなく小さな悲鳴を上げてビビったが、コバーンは気分を害して帰っただけだった。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

そして実際に喧嘩すれば余裕で勝てるのをアピールするため、千秋に視線を送りながら、上司の手前、我慢しただけだと言い添えた。

 

 

多少雰囲気が悪い始まりでも酒が入れば普通に盛り上がり、コミュ力が高いらしい象さんの回しで千秋中心に星をいじりながら、笑い声が響く。

 

軽いセクハラを受けながらトイレに逃げた千秋は、ジェリーと接触中だと只野にメッセージを送った。

 

傷をつけたばかりの愛車で高速を流していた只野は、ジェリーと一緒に飲んでいるメッセージをハンドルを握りながら読み、どうでもいい報告に適当な返事を返そうとした直後、ジェリーが同席している重要性に気づき、驚愕。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

またハンドル操作を誤って大事故を起こし死にかけたが、写真を撮れという指示を何とか送った。

 

 

トイレから戻った千秋はセクハラも笑顔で受け流せる冗談の分かる可愛い女を演じながら、料理を撮る流れでジェリーも撮ろうと画策するが、急に悪の自覚を発揮した象さんが、自分たちの記録を残すのは許さないと咎めた。

 

千秋は素直に聞き入れ、大人しくスマホをしまう体を装いながら動画モードに移行し、さり気なさの限界ギリギリを綱渡りしながらジェリーにレンズを向けて姿を記録しようとした。

 

ポっさんを抱きながら、マイペースに酒を楽しんでいるジェリー

そのとても悪者に見えない彼女が画面に入ったその時、千秋は誤って写真モードのシャッターを押してしまい、音が鳴った。

 

もちろん象にもジェリーにも聞こえてしまい、場はコバーンが切れた時の比ではないくらい、緊張感に張り詰めた。

著者名:平本アキラ 引用元:イブニング2019年7号

 

 

感想

RawHEROロウヒーロー8話9話10話でした。

この漫画家志望のマリコがどうストーリーに絡んでくるのか、そもそもどの方向に進もうとしているのかまだよく分かりませんが、弟二人の学校生活も見てみたいです。

かなりモテてそうな気がするので。

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